手術室、10分で倒れる人間が2時間耐えるための方法論と技術大全

私はとても虚弱だ。
どのくらい虚弱かというと、学生時代、帝王切開の見学・採卵の見学ともに開始10分で床に崩れ落ち、以後の手術は椅子に座って見学させていただいていた程である。

しかし研修医という立場上、外科手技を全く必要としない科を志望している場合でも手術には入らねばならない。
さらに大抵の病院では、研修医にもなんらかの(カメラ持ちや器具出しなど、患者の容態に直接関わる部分では無いとはいえ)役割を課されることが多い。
ということは…手術中に倒れると迷惑がかかるではないか。

一抹どころか、血の気が引くほど不安である。
なんとかせねばならん。

ここでの「倒れる」は、医学的には「迷走神経反射」と「疲労の極致にあり、身体を支えることが不可能になること」と言い換えることができる。
迷走神経反射の心因性・外因性要因と、疲れやすさについて探っていこう。

ここから先は

2,558字

¥ 300

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?