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遅いインターネット
〜今日の一枚〜
写真を撮るとき、もちろん人物の写りを気にするんだけど、同時に光の形もとても意識して撮ってます。これは自分の作品づくりでとても大事にしていることです。
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こんにちは、お久しぶりです。
最近少しずつ読み進めていて昨日読み終わった本が、非常に今の自分に大きな影響を与えてくれる内容でしたので、忘れないように読み終わっての感想をここにメモしておきます。
うまくまとめて書けないかもしれませんが、ぜひ暇つぶし程度にご一読頂けると幸いです。
私が読んでいた本は、宇野常寛さんの「遅いインターネット」という本(以前の記事にも少し紹介した気がします)。
『PLANETS』という批評誌の編集長であり、立教大学でも教鞭をとる方での本で、編集者はあの幻冬社の箕輪厚介です。
出版日が2020年2月19日で、私の27回目の誕生日に出版されたということで、勝手に特別な思いを持っております。笑
本自体は白と青のすっきりとしたブックカバーですが、内容はかなり密度があり、正直読みやすい本とは言えない気がします。
が、その読みづらさすら計算されて作られているのかも。。と感じさせるクライマックスで、読み終わった後、いろいろなことを考えるきっかけとなりました。
読み手によって感じ方は異なると思いますが、谷口的解釈の結論を言うと、
「考え続けながら発信することが、現代を生き抜く力となる」というとてもシンプルな内容です。
この本はその力を身につけるきっかけとしての意義を持ち合わせていると感じました。
本書の核が詰まっている一文をここで抜粋します。
『そう、この本は一緒に走りながら考えてもらうための一冊だ。あらかじめわかっていることを確認して安心するための本ではなく、手探りで迷いながら考える本だ。
そしてこの国を、いやこの世界を覆う目に見えない壁を破壊する言葉を手に入れること。それがこの本の目的だ。』
自分なりに、出来るだけわかりやすく、説明しますね。
私たちは、インターネットを通じてあらゆる情報を瞬時に取り入れることや、SNSを活用して全世界に発信をすることが容易になりました。
googleの検索エンジンを使えば、知りたい情報を数秒で得ることができ、SNSを利用すれば世界の裏側に住んでいる人とも繋がりを持つことができます。
それ自体はとても素晴らしいことで、それを可能にした技術革新は今もなお発展し続けています。
ただ、そのインターネットの普及によっていくつかの弊害も生まれました。
その一つが、世に出回った情報をそのまま鵜呑みにし、うわべだけの理解で感情に任せて周りに発信する人間が増えてしまっているということです。
例えば、今のツイッターなんかはまさに代表例で、芸能人の色恋沙汰やどうでも良いネットニュースをリツイートし、「まじで許せない」「ふざけんな」などと感情に任せてツイートしている人をよく見かけます。
私自身ここ数年はツイッターを利用することが極端に減ったのであまり知らなかったのですが、今のツイッターはそういった怒りや不平不満を吐き出す場所になってしまったんです。
そうなってしまった原因の一つが、
私たちは「読むこと」が苦手になってきている、という点にあります。
昔は本を読むことでしか情報や知識を得る方法がありませんでした。なので必然的に「読むこと」ができるようになるのですが、
逆に自分の意見や考えを発信することは本を出版したり新聞の記事として載ったりすることでしか達成し得なかったわけです。
自分の意見を発信するには、皆が読んで価値があると感じるレベルの内容を書かなければ、届きすらしない。
つまり「書くこと」って当時は結構ハードルの高いものだったんですね。
しかし、時代は進み、現在SNSが普及したことで、自分の意見を何のリスクもなく簡単に全世界に発信することができるようになりました。必要な情報はインターネットのそこら中に落ちているので、簡単に入手することができます。
そのうち、ネットでは「まとめサイト」なるものが流行り、答えを得るためにあれやこれやと本や辞書で調べる時間は極端に減りました。
つまり「読むこと」と「書くこと」のハードルが逆転してしまった、というわけです。
そして、その2つの関係性はこれからまたひっくり返ることはあり得ず、私たちにとって「書くこと」はもはや日常レベルで必須なスキルとなっています。
(日々の不平不満をツイッターに垂れ流したり、LINEで好きな人に告白したり、おしゃれなカフェに行ったことをインスタグラムで報告したり、みたいな感じで。)
ここまでのことをまとめますね。
①現代を生きる私たちはインターネットの普及によって、「書くこと=発信すること」が容易になり、誰もが意見を言える世界となった
②その分、ある情報に対して、反射的に「好き」「嫌い」という薄っぺらい感情で意見を発する人が増えた
③その原因として、時代の変化と共に、情報を「読む」能力を鍛える機会が減ってしまったことが挙げられる
(※ここでの「読むこと」というのは、言い換えると「事象についてちゃんと理解すること」という意味だと解釈しています。)
この3つを前提に、これからの私たちが求めるべきことは『遅いインターネット』であると宇野さんは提言しているのですが、
ただ、文章が長くなってしまったので、続きはまた明日書きます。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
それでは、おやすみなさい。