経験から学び尚且つ歴史から学ぶ
愚者は経験に学び、賢者は歴史から学ぶ
これはドイツ帝国で鉄拳宰相と呼ばれたオットー・ファン・ビスマルク(1815ー1898年)の格言です。
ネットで調べると違和感がある、誤解していたという記事が多くみられました。
この格言の原文(ドイツ語)では「歴史」とは書かれておらず、直訳すると「愚か者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私なら他者の経験から学び、最初から自分が失敗しないようにする」だそうです。
歴史ではなく他者の経験から学ぶ
愚者は経験(自分のミス)から学び、賢者は歴史(他者のミス)から学ぶ
自分の経験に頼るだけでなく、他者の経験をよく学ぶことでよい判断をするということを意味しているのでしょうか。
ただ
私は最初の日本語訳、歴史から学ぶの方がしっくりきます。
愚者は経験に学び、賢者は歴史から学ぶ
歴史が教えてくれることは厖大にあります。
歴史から学んで仕事に生かしたという人は大勢います。
迷ったら歴史書を読むという人がいます。
だいたいこの格言しかり、歴史ですね。
歴史に学ぶ
過去の人々の知恵や経験その物語を知り、現在を考え、未来に生かすと言われます。
あたりまえですが、歴史を学ぶというのは学校で習うようなその年代で起こった出来事を覚えることではありません。
そこで起きた物語、背景そして人がどう動いたか、結果どうなったかを学ぶ。歴史小説や戦国武将が好まれるのはそこにドラマ(ストーリー)があるからです。
また、古典や神話から学ぶべきことはたくさんありますが、近代・現代史からも学びはあります。
過去起こったこと、書かれた書物すべて歴史になります。
経験に学ぶ
さらに私がこの格言に感銘を受けるのは
愚者は経験に学ぶ
自分の経験を生かす、失敗から学ぶ
実際には、なかなか自分の経験からも学ばない
私自身
何回同じ間違いを繰り返すのか
と自責の念によくかられます。
愚者以下ということでしょうが
自分の経験を生かす、失敗から学ぶことは大切だ
それでも実は足りない
歴史からもきちんと学びなさい
と気づかされる格言です。
自分の経験、他者の経験、過去の歴史から大いに学び
今を生き
未来に繋げる。
そして
知行合一(ちこうごういつ)
知っていて行わないには知らないことと同じ
知ると行うことは表裏一体であるという、中国陽明学の王陽明が唱えた四字熟語ですが、
学んだだけでは駄目
学んだことで行動に移す
これも歴史から語られています。