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最近の記事

「女の敵は女」?敵とは何を示すのか

 昨日あるニュースがネットで話題になっていた。なんでもサンリオが作成した新しいグッズに掲載された文言が、男女に関するものが多く、ジェンダーバイアスを助長するものであるという批判を受け販売中止となったらしい。特に話題になっていたのは、問題視された文言の1つである「女の敵は女」という言葉であった。女性ファンの多いサンリオのグッズを批判し販売中止に追い込んだのはフェミニズムの流れを汲んでいたことから、まさに「女の敵は女」という言葉通りの皮肉な結末を風刺する見方が多かった。  さて

    • 田村ゆかりライブツアー"Airy-Fairy Twintail"公演中映像の一考察(その2)

       考察その1では映像中の各描写に意味付けを行い、分析することに焦点を置いた。その2ではそれを基に物語を再構築し、作品のテーマに迫りたい。特に、その1で述べたように、この物語を現代のおとぎ話と位置付けるなら、多くのおとぎ話が持っているような普遍的な訓示がテーマとなるだろう。そこに焦点を当てる。  再構築するにあたり、ジャン=ポール・サルトル(注12)の実存主義を参考にした。ただ、筆者自身サルトル思想はまだ勉強中のため、十分に嚙み砕いて説明できているか自信がない。要点は本文中で解

      • 田村ゆかりライブツアー"Airy-Fairy Twintail"公演中映像の一考察(その1)

        はじめに 「作者の気持ちを答えなさい」というネット等で見かける言葉がある。妙な言葉である。国語の文章題において「作者の気持ち」が問いかけられるのは、あまり出題されない随筆文のみである。論説文では「作者の考え」が、小説では「登場人物の気持ち」が問われる。同一視されがちだが、これらと「作者の気持ち」は明確に異なる。文章で作られたものに限らず「作品」は世に放たれた時点で独り歩きし始めるものだ。  今回は、現在開催中の田村ゆかりさんのライブツアー『Love Live 2021*Air

        • 星新一ショートショート「好奇心」の想い出

           読書の楽しみというと、私は二種類あるように思う。一つは、活字を追っていくときに味わうものだ。先を予測したり、著者の表現に舌を巻いたり、心情表現に合わせて心が揺れ動いたりなど、文字を追いながら描かれた物語を追体験する楽しさだ。活字という骨子に肉付けするように自らの想像力を補完していく、この作業には読書でしか得られない恍惚がある。  もう一つは、読書を終え、その記憶を反芻することでゆったりと吟味する楽しさである。読後感という言葉があるが、この"読後"という時間は読み終わった瞬間

        • 「女の敵は女」?敵とは何を示すのか

        • 田村ゆかりライブツアー"Airy-Fairy Twintail"公演中映像の一考察(その2)

        • 田村ゆかりライブツアー"Airy-Fairy Twintail"公演中映像の一考察(その1)

        • 星新一ショートショート「好奇心」の想い出

          江戸川乱歩「パノラマ島奇談」感想

          前置き―読書の背景 パノラマ島奇談(パノラマ島奇譚という表記もあるようだが、本稿では購入した春陽文庫版の表記に従ってパノラマ島奇談としたい)の最初の印象は"ものすごくポーっぽいな"だった。元々この小説を読もうと思ったきっかけはアダルトゲーム「さよならを教えて」の主人公名の元ネタに興味があったからだった。伝説的電波ゲーの「さよ教」ならその主人公名にも意味があるはず、と小説よりもむしろゲームの考察を深めるための動機だったのだが、すっかりパノラマ島の方にのめりこみ、感想を書くためブ

          江戸川乱歩「パノラマ島奇談」感想

          はじめまして

          もろびとがすなるにきといふものを「自動」もしてみむとてするなり。 はじめまして。自動といいます。 触れた作品の感想を吐き出せる場所が欲しいなと思った(5年くらい前から思っていてやっと重い腰をあげた)ので、のんびり書いていこうと思います。 ジャンルは特に指定せずにやっていこうと思います。 初めてなもので至らぬところはあると思いますが、読んでくれる方はこれからどうぞよろしくお願いします。

          はじめまして