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CMは短編映画? 記憶に残るCMがある。映画がある。

2時間を超える作品もあれば、1分に満たない短編映画もある。映画館の巨大スクリーンで見る作品も、スマホでも視聴可能なサブスクサービスで配信される作品も映画に変わりはない。
言い換えると、個人個人の感覚的な違和感はあるかもしれないけれど、映像作品は映画と言って良いと思う。

では映画祭とは?
それぞれに定義されたルールに従って、映像作品が集まる場や機会。と言うことが出来ると思う。


多くのCMが日常生活の中にあった時代に、多くの刺激を受けて育ちました。

昭和の終わり頃はテレビが生活の中心にあった時代だったと思う。わたしは夕食後の時間は家族でテレビを見て過ごしていました。本やボードゲームはあったけれど、家の中で楽しむ気楽な娯楽はテレビだったと思う。
それは現在のYouTubeと同じで、プラットフォームが違うだけで、今と同様に映像が身近にあったとも言えます。どこの家庭も大きく違いは無かったんじゃないかな?

テレビを見る時間が増えれば、自然にCMを見る機会も増える。新しいクルマが売り出された時、最初にそれに出会うのはTVCMでした。突然出現する真新しいクルマに、毎回わたしは心を奪われていました。

CMは15秒から30秒の短い時間の中で、最新のクルマの魅力が沢山詰まっている映像。いすゞのジェミニやスカイラインのCMは今でも印象に残っています。(日本のCMは権利が複雑な為、公式で管理公開されることが少ないのは残念。)

社会に出てからは広告業界に関わり、様々な視点でCMを見るようになった。

CMは短い映像の中に様々な表現がある。ドキュメンタリーもあれば、ドラマもある。「そのクルマの魅力を伝えるためには?」企画から本当に多くの人たちが時間を費やして1分に満たない映像が出来上がっていく。

撮影現場に行けば、演者も居る、車両係も居る。照明や撮影班、想像以上に大掛かりで多くの人達がいることに毎回驚く。
こうした裏側を体験すると、2時間の映画と15秒のCMへの挑み方や体制に違いは無く、完成した時の映像の長さは違えど、CMだって一本の映画なのだと実感することがありました。

でも、映画祭を広告祭にはしたくなかった。

個人的な体験として、映画祭に応募しようと考えた時に「自分の作品にあった映画祭が無い」と感じることがありました。

そもそも【「自動車」をテーマにした映画祭】と呼ばれる場は広告作品が目立ち、自主制作の映像作品、特にドラマやドキュメンタリー作品が場違いに見えてしまうことがあります。
それでは広告映像以外の自由な作品が届きにくくなってしまう。
審査以前に、自分の作品に適切な映画祭か否かを考えると、そもそも受け入れられるという確信が無ければ、応募がしにくいものだと知りました。

例えば、クロード・ルルーシュのランデブー。これは個人的にも衝撃を受けた作品なのですが、自動車の映画でありながら広告(CM)ではありません。こうした作品が生まれた時に、届く場所(映画祭)があるべきなのです。(こちらもYouTubeで見つけることができます

そんな経験から、クルマがテーマであれば広告映像も受け入れるし、自由な自主制作の映像も受け入れる映画祭。International Auto Film Festaが誕生しました。

良いものは良い。

様々なクルマの動画が集まる場であり、
その時々の世界を紹介する場であり、
それぞれ作った人にスポットを当てる場でありたい。
クライアントワークでも、自主制作でも同等に扱う映画祭でありたい。

International Auto Film Festaは、クライアントワーク(含むCM)を歓迎していますが、特に日本では大規模な作品になるほど関わる方々も増えてしまい、音楽、演者、広告代理店、制作会社など、様々な管理、権利の問題で、申込みに対するハードルを抱えることがあると予測しています。

実際にそうした状況に直面された方から、応募に際してご相談いただくこともありました。(既に作品掲載時の表記方法など、我々に出来ることはご協力しています。)

そんな中で、映画祭の目指すところは「自動車映像界にとって有益な賞」への成長です。様々な場で活躍する方々の作品が、応募・参加しやすい環境を整えていくことが、我々にとってのタスクなのだと思います。

こうしたハードルは回数を重ねる度にCM業界の方々にも積極的に参加頂くことで、フィードバック頂きながら取り除ける様に、映画祭成長へのサポートを頂きたいと考えています。

出来るだけ多くの方々に応援してもらえると嬉しいです。

International Auto Film Festa (Official Site)

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