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見守ってくれている人

昨日は息子がオンラインで受けている
日本語補習校の四年生最後の国語の授業だった。

先生が「今日最後の授業だけど、嫌なこととかなかった?」
と息子に聞いているのがちょうど耳に入って
「嫌なことなかったよ、漢字の練習は大変だったけど」
と答えている息子の声に母としては安堵のため息。

小学校一年生に上がった時からお世話になっている
オンライン日本語補習校での授業
週に1回2時間、各国に住む息子のように日本にルーツを持つ子や、
両親の仕事で海外に住む子たちと一緒に国語を学んでいる。

ここまでの道はもちろん平坦ではなく、
漢字やりたくない、宿題やりたくない、音読やりたくない、
息子のやりたくないと親のやらせたいとで
なだめたり、おどしたり(怖っ!)、物でつったり(笑)
いろいろ試行錯誤してきた。

結局、無理やりやらせて日本語を嫌いになるのは本末転倒
という結論になって、
四年かけて、やらなくて良いものを削ぎ落とし
(本当はちゃんとやったらもっと力がつくんじゃないのー)
という親の気持ちから手放しをしてきた気がする。

HSPの息子は文章を書いて字を間違えて、書き直すことを極端に
嫌がるところがあって、(消しゴムで消す、うまく消えない、ノートが
汚れる、すごく嫌というループ)今では宿題の日記を書くときはタブレットで書いている。それでも書くのを面倒がる時も多いけど、ノートに書いていた時のような嵐のような場面はずいぶんと減った。

「書いて覚える漢字」これもできるだけ書かずに覚える漢字にしている。
私が子どものころ漢字を何度も何度も書かされていたことが苦痛で仕方なかったので、息子が嫌がる気持ちが充分にわかったことと、漢字をノートに書いてからすぐに書けるかやってみたら息子が一つも覚えていなかったということがあって、この覚え方は息子に向いていないとすっぱり諦めた。
その代わり、大きく書いた漢字の読みを最初に覚えて、それから形を見て記憶。覚えられたら一度書く、それだけ。長期メモリーにどれだけその記憶が入っているのかはちょっと疑問だけど、要領を覚えてからの息子の集中力と記憶力にはちょっとびっくりするくらい。

音読は息子の中でも「やる必要のない宿題第1位」いろいろ試行錯誤したけど、寝る前に息子に本を読む習慣があるので、その前に一緒に読むようにすることで今は落ち着いてきたところだ。

こうやって書くと親が一生懸命工夫をしてやらせているところがエライ!
もしくは、こんな中途半端に勉強させて意味あるの?
と思われるかもしれないが、今はこれが我が家の見つけたベターな方法、どの家庭でもこの方法が合うという訳ではもちろんないし、手を変え、品を変えやってみたらーと言う親に対して、やってみようかなと息子が挑戦してくれたことを評価したいと思う。

「もしうまくいっているなら、変えようとするな、
もし一度うまくいったのなら、またそれをせよ
もしうまくいっていないのであれば、何でも良いから違うことをせよ」
参考「解決思考ブリーフセラピー」

息子の日本語力が今後どうなっていくのかは分からないけれど
うまくいっていないのであれば変えていけば良い、
ポジティブ心理学を学び、しなやかマインドの大切さを学び
結果よりもプロセスを大切にすることが大事だと思っている

しかし何よりも、毎週楽しい授業をしてくれた先生の力によるものが大きい
宿題は嫌でも授業に出るのは嫌と息子が言ったことはない
「宿題やってなくて授業に出るのは気まずい」とかそんな感覚は息子には
ないのはさすが今の子という気もするけど、
優しい先生のおかげだと心から思う

国語の担任の先生が、
授業のあとに送ってくださったメッセージ
「中略 これで、四年生の全課程を修了しました。忙しい毎日の中で、週2時間の授業と宿題です。嫌になることもあったのではないでしょうか。本当に根気よく頑張られました。努力した分だけしっかり力になっています。成長されました。みなさんしっかりしておられて、お話が上手で、手を挙げて発表してくれました。課題に積極的に取り組めました。一緒に学習するのは、とても楽しかったです。助けてもらいました。ありがどうございました。これからも楽しく学習を続けてくださいね、ずっと応援しています。いつか会うことができるといいですね。それではお元気で!」

これを読んで目頭が熱くなってしまった。
来年から担任は変わってしまうけれど、
息子の頑張りを見守ってくれている人がいる、
息子が培ってきた財産だなと、感謝の気持ちでいっぱいになった。

早いもので日本では4月から五年生!
これからの日本語の道も平坦ではないかもしれないけど、
「日本が好き、僕は日本語が話せる」
そんな息子を応援していきたいと思う。

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