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本との対話:シェア本屋編

どこもかしこも共感ばかりを刺激する情報が多くて、そろそろ神経が持たなくなってきた。
そんな人も少なくないのではないだろうか。

今ではどこでも情報がみだりに入ってくるから、遮断する能力も必要なんだろう。とはいえ、昨今よく聞く「鈍感力」とも違う気がして「うーん」となっている。

さて、私の活動と言えば昨年末からはじめたシェア本屋”西日暮里Book Apartment(以降はブックアパートメントと記載する)”に3月からPOPUPもしていないし、この頃の感染者数をみると、一日店長をするのはかなり厳しい。
ましてや都内にあるお店に神奈川県民が移動、となるとまたさらにハードルは高くなる…。

このブックアパートメントは郵送での搬入も可能としてくれているので、5月頃に一度、10冊ほど追加した。
そろそろ、また新しく用意したいなと。

本来の予定だと、POPUPの際に展示する作品とリンクしたものを選書して陳列しようと思っていたのだが、その方式が取れないので、正直とても悩む…。
やはり私は作品の展示ありきでこの活動をしたかったんだなーと。
とはいえ、それをブツブツ言ってても仕方ないので、違った視点でやってみたらいいじゃないと。人も時代も変わるしね。

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冒頭のくだりに戻って、共感の刺激が強すぎて疲れてしまった私が、
現実逃避とはまた違う、ゆっくりと静かに深く潜れるようなものを読み返した本たちをこれからすこしずつnoteでも紹介していく。
(カミュのペストも読んだ・たまたま寄ったコンビニにも置いてあって、今回の件で相当読まれたんだな…)

ということで紹介。
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大不況には本を読む
橋本 治

河出文庫 文庫 ・ 256ページ・発売日:2015.06.08

明治維新を成功させ、一億総中流を実現させた日本近代の一五十年は、もはや過去となった。いま日本人はいかにして生きていくべきか。その答えを探すため、貧しても鈍する前に、本を読む。

(河出新書房出版社HP 作品紹介ページより引用)

(でも、実際の本の背表紙の作品紹介の方が面白いと思うのでここにシェア)

「思想性ゼロ」の国・日本は、二十世紀後半に貿易戦争に勝利し、一億総中流を実現させた。だが、ペリーの黒船来航に始まる近代百五十年の成功体験はもはや過去となり、不景気が当たり前になってしまった。いま日本人のなすべきことは?―――貧しても、鈍する前に、本を読め。

(本書・背表紙 内容説明より引用)

本文より一部引用

「”本を読む”と言って、どんな本を読めばいいんですか?」という問いの答えは、「読むべき本は膨大にある」です。なにしろ日本は、近代百五十年分を「経験」にしなければいけないような壁にぶつかっているのです。「ああ、こんな程度だったのか。これでなんとかなる”解決”だと思っていたのか」と思わなければならない失敗例は山積みです。「これは役に立たない。あれも役に立たない」という、過去の洗い出しをしなければなりません。

(終章・242ページ)

私は橋本 治さんの文体がとても好きで、たぶんすごく影響を受けているんだけど(その影響が反映されてるなんて言えない)すらすらと難しそうなことを普通に話しかける要領で書かれている。
(実際に「話している」ことを文におこしている本もたくさんある)

そういった書かれ方・話しかけられているからこそ、なかなか批判的に読み取れなくて、それが罠のような感じ、魅力的に感じるのだ。

本、よまないとね。

話は変わって、
この橋本 治さんはすごいニットをつくる方でもあり、こんな本も出している。

http://w.kawadeww.co.jp/np/isbn/9784309261232/

(なぜか埋め込みできないリンク…)

(代わりにアマゾンにて、絶版なのでめっちゃ高ッ!!)

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ブックアパートメントPOPUP時には一番目立つところに配置。
(それなのに非売品!閲覧用!)

タイトルは1989年出版というのもあって、「男の~」という強い名前だけれど、とにかく内容は「編み物をやったことのない男がいきなりすごいセーターを作る」という一点突破な実用書。だが、本人の写真やら書斎やストレッチ法まで紹介されていて、面白い。
実用書あるあるの「買っただけで作った気になるもしくは、たぶん作らないけど興味あるから買っておく」だけで終わらない、読み物としても完成されてて大変面白い。(二度言うよ)

私も本を作るならこういう読み物としても成立するものを作りたいな、と思っていて、こういう場には常に持っていっている。
(どこで出会いがあるかわからないからね…すごい重いんだけど頑張って持ち歩いてる)

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お近くの方はぜひお立ち寄りくださいね。

ちょうどPOPUPをしていたら「散歩の達人」の取材日だったので、まさかの便乗で掲載していただいた。
(写真も拝借させていただきます。ありがとうございます)

ほらね、なにがあるかわからない…。
だから準備はたくさんしていて良いと思ってる。

今日はここまで。


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