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【ラジオ信者向け】吉田さんという人が社内ラジオを放送している話

私の会社では、吉田さんという人が趣味で社内ラジオを放送しています。ラジオの放送回数はこの一年で40回を突破したとか。これを換算すると月3回以上のペースなので、結構な数です。なにごとも「好き」というものは長く続けられるということなのでしょうか。

まず初めに「吉田さん」の紹介から

・仕事はWebや広告に関連するあれやこれやをやってます
・身長は178cmくらいのいわゆるモテ身長
・ルックスは大学生に間違えられるほど童顔
・先輩や同期のみならず後輩からもイジられてる
・そしていつもニコニコ笑顔
・毎日同じ白シャツにデニムのファッションでキメている
 ※本人曰く、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズと同じ思考らしい
・最近パパになりZoomの向こう側から赤ちゃんの声(おめ!)

社内ラジオのパーソナリティはそんな吉田さん(30歳/男性)に加えてもう一人。相方の長井くん(27歳/男性)です。彼はアウモで働く傍らなんと「芸人の卵」という意外な一面を併せ持ち、現在は太田プロの養成所に所属しているんだとか。吉田さんよりも背は高くて細身。離れているこちらの席まで来たかと思えば、冗談を言ってぎゃはぎゃは笑って去っていきます。いつも「なんの用だったのやら」です。

最近、Twitterやnoteでチラホラと「社内ラジオ」というワードを耳にするようになりました。そこで、今回は私の勤める会社で放送されている普通のようで普通じゃない社内ラジオの「アウモナイトニッポン」について紹介したいと思います。


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なぜ吉田さんは社内ラジオを始めたのか

ここでは「おうち時間が長くて社員の意識向上のため…」という綺麗な文脈というより、もう少しリアルな部分をお伝えしたいと思います。
吉田さんが社内ラジオを始めようと思ったきっかけは、社員の地方転勤が開始されたタイミングにありました。地方メンバーからは本社の雰囲気に触れる機会が減って寂しいという声が少しずつ出てきていたんです。
普段は地方メンバーとオンラインで実施している定例会やMtgなども多くありますが、どちらかと言うとオフィシャルじゃない形式で社内のトピックスや新人さんの紹介をしていきたいと思い立ったのが、社内ラジオの放送を始めるきっかけになったとのこと。


吉田さんの独特な「ラジオ愛」とは

昔、教室の中心でクラスの友達と「昨日の”学校へ行こう!”みた?」などと話していたグループがいましたよね。今流行りのテレビ番組や話題ネタを取り上げて、複数人がワイワイ楽しそうに盛り上がったりしていました。
ですが吉田さんは、クラスの真ん中ではない掃除用具入れ前のこじんまりとしたスペースで、仲間だけの共通の話題で盛り上がる雰囲気がしっくりくるのです。その頃から「昨日のラジオ聞いた?」と、内輪で盛り上がれるところにどこか男同志のロマンみたいなものがあったのでしょうか。
確かにそう言われてみると、テレビよりもどこかニッチな要素を持つ「ラジオ」に惹かれる理由も分からなくもないです。


当初の想像からはちょっとズレたラジオ愛を持っている吉田さんでしたが、そのラジオ歴はなんと10年にもなるそう。ホンモノですね。
そんな吉田さん自身がラジオにハマったきっかけは、TBSラジオならびにJRN系列4局の計5局で放送されていたアンタッチャブルのシカゴマンゴの「モテない替え歌」のコーナーでした。

このモテない替え歌というのは、その名の通り誰もが知っているような名曲を「モテない」替え歌にして歌うというコーナー。パーソナリティのアンタッチャブルが、ラジオは何の縛りもないものと錯覚させるかのように、どんな内容の歌詞でも開放的に歌うからこその面白さがあったのだそう。

■吉田さんがラジオアプリなどで聞いているラジオ番組集
・アルコ&ピース D.C.GARAGE
・山里亮太の不毛な議論
・佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)
・ナインティナインのオールナイトニッポン
・バナナマンのバナナムーンGOLD
・三四郎のオールナイトニッポン
・オードリーのオールナイトニッポン
・有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER など

普段、テレビ(表)ではスポットを浴びない人がラジオ(裏)で輝いていたりすることもあると吉田さんは言います。ラジオだと良い意味でお客さんの反応がリアルタイムに見れないので、パーソナリティは誰の顔色も窺わずに自由気ままに話したいことを話せるのがいいんじゃないか、というのもなんだか納得ができます。
それに加えて、ラジオのフリートークで「みんなが知らないアイツの一面」のような、その人の見え隠れしていた人間性が全面に出てくるのもラジオならではの面白さの一つと言えるようです。


見るだけで本気度が伝わる吉田さんの収録スタジオ

趣味でやっているだけの社内放送用ラジオとはいっても、吉田さんは機器もいろいろと揃えています。

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左側のマイクが4,000円くらいと、音源編集用のソフトが1,500円/月くらい。こちらはもちろん自腹です。PC画面の「アウモナイトニッポン」のロゴは、会社のデザイナーさんに作ってもらったそう。aumoのデザインチームはどんな依頼に対しても、いつも至る所の隅々まで協力的なので本当に感謝です。ちなみに、アウモナイトニッポンのステッカーもあります。こちらも吉田さんが自腹で発注したものです。

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気になるその社内ラジオの放送内容とは

ラジオで話す内容は「会社にまつわる話」というのを意識しているようです。とは言ってもラジオ自体はアンオフィシャルにやっているものなので、会社の情報だけが内容を占領し過ぎてもみんなが楽しめるコンテンツとは言えません。話題の比率を考えて、社員の最近起きた出来事や事件簿などを募って取り入れるようにしています。
話題に個人の名前を出す際には、事前に本人に使用許可を取っているというところも吉田さんの性格がうかがえます。
そして放送日は決まって金曜日。華金の夜にお酒を飲みながらゆっくりと聞いたり、休日にランニングをしながら聞いたりと、それぞれ独自のライフスタイルに沿ってラジオを楽しんでもらいたいという心遣いもあるようです。

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吉田式ラジオのちょっとした”ルール”とは

オープニング曲はもちろん「Bitter Sweet Samba」が流れます。トーク内容は基本「オープニングトーク→テーマ→ふつおた→エンディングトーク」の順番。時にはゲストを迎えてお送りする回もあります。
社員に向けてGoogleフォームで募集しているお便りには、ラジオネームを使用してもらうのがお決まり。ここでポイントなのは、パーソナリティもリスナーも「お便りの投稿者」を誰なのか詮索しないこと。誰からのメッセージでもいいじゃない。それが社内ラジオを楽しむためのルール。
お便りを読まれた人にはアウモナイトニッポン特製ステッカーをプレゼントしてもらえるそうで、社内でもこれは手に入れたいとプチ評判になっているとか。

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(※本物のフォーム画面です)


社員の話は職種や業態を問わず、その人自身の紹介や会社での役割にも触れたりしているので、既存メンバーのみならず新人さんや異動してきたばかりの人にも聞きやすい内容になっています。
普段の業務でスポットライトがあたりやすいのはMVPを受賞したメンバーや活躍が目立ちやすい部署の人たちだったりするところですが、管理部や縁の下の力持ちとして大活躍している人たちにもフォーカスして社内の実態についても多くのリスナーに届けたいと吉田さんは言います。


ラジオをきっかけにプチ有名人になった吉田さん

ラジオを続けていれば、嬉しいこともあります。「ゲストで出演していた人のことを吉田さんのラジオで初めて知りました」なんて声があがったり。
それに、ラジオ放送を初めてからは吉田さん自身の知名度も上がり、業務ではあまり関わりが深くない人からも「ラジオの人ですよね?」と声をかけられることも。(ニヤニヤしながら対応している吉田さんが目に浮かびます。)

第一回目の放送と比べてしゃべりうまくなってきたと話題の吉田さん。それもそのはず、ラジオ用のネタ帳を作っているらしいのです。
トークに取り入れたいと思った内容をメモしておき、相方の長井くんには収録前にテーマのタイトルだけを共有しておく「サザエさん方式」を取り入れています。そしてそのテーマに沿って吉田さんがリードして話していくことで二人のトークの掛け合いが生まれます。ここでは台本のない収録というラジオ収録の裏側も明らかになりました。

なんとか一つだけでもお仕事の話を入れておきたいのですが、アウモでは全社員が参加できる「全体定例会」を開催しています。各部署の代表者が登壇して業務の現状報告や共有事項の話をしていくのですが、その全体定例のMCという大役を務めているのは、何を隠そうあの吉田さんです。
登壇者がPCを接続している間の場繋ぎとして毎回フリートークを披露しているのですが、その内容は一回ラジオで試してみて自分的に納得ができる水準のネタを話すようにしているということが今回のインタビューで明らかになりました。
もちろん、全体定例会に出席しているのもラジオを聞いているのもアウモの社員たちなので、ラジオリスナーの社員は全体定例会での吉田さんの話の冒頭から「あ、これラジオで聞いたことあるな顔」をしながら聞いています。

口コミだけで広まり続ける社内ラジオ

実は「アウモナイトニッポン」は告知を一切せずに口コミで拡散していったんですよね。社内のSlackチャンネルに勝手に誰でも招待できるようにしているんですが、放送初期のチャンネルメンバー5人から今では80人くらいに増えました。リスナーはアウモ社員だけではなく、グループ会社の人たちも聞いてくれるようになりました。
最初は吉田さんたった一人が初めた取り組みでしたが、社員を巻き込んでいくうちにどんどんと大勢の人が興味を持つコンテンツになったからこそ、需要が増え続けているんだと思います。

私が今回社内ラジオの件をインタビューして思ったのは、なによりもやっている本人たちが楽しそうでした。そしてきっとこのnoteが公開される日も楽しみに待ってくれているんだと思います。
そして、ラジオにかける熱い思いを知ることで仕事中とはひと味違う吉田さんの姿が垣間見れたのもよかったなぁと感じてます。あれっ? むしろこっちが本業なのかも。


最後に吉田さんご本人からコメントが

吉田さん:今回は僕の社内ラジオを取り上げてもらってありがとうございます。
アウモで続けてきた社内ラジオは、どんな状況でも僕がすきでやってるってことを周りの人が理解してくれて「ラジオやってる場合じゃない」とか「そんなことよりも〜」みたいなことを言わずに暖かく見守ってもらえているのは、本当に感謝だと思っています。組織としての懐の深さですかね、ありがたいです。

僕がアウモナイトニッポンをやっていく中で最近思うようになったことがあって、それは相方として出演してくれている長井くんと放送回数を重ねていくうちに、将来彼が売れっ子お笑い芸人になった時に自分で本当のラジオ番組をもつようになったりしたら僕も心から嬉しいなぁ、なんて考えたりするようになりました。

夢を追いかけて頑張っている長井くんに負けずに、これから僕も自分でなにかを発信することによって「人を楽しませることができる人」であり続けたいなぁと思います。それが表でも裏でも、目立っていても、たとえ地味だとしても。

ワーワー言うとります、お時間です。さようなら。

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