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<マーケティング考察>視聴率に見るヒットの法則とコア観念分析

視聴率には、
* 国民の関心の高さを探る
* 視聴率の移り変わりによる社会動向の分析、掌握する
* 広告効果の費用対効果指標としての広告料の根拠提示

の目的があります。NHK朝ドラ『おしん』(1983年)とTBSドラマ『半沢直樹』(2013・2020年)を分析してみます。

 NHKの朝ドラ視聴率はここ10年間は20%代前半、歴代最高では『おしん』の平均視聴率52.6%(最高視聴率62.9%)です。『おしん』は、苦難の中にあっても時折差し込む一筋の光、理不尽さや人間の闇に、翻弄されながらも生き抜いていく、か細く、切ない力強さを軸としていました。

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 現在の朝ドラ『おちょやん』も父親から奉公に出され、家族離散となり、孤独な悲しみを背負って生きることに奔走していきますが、『おしん』を陰とすると『おちょやん』は陽に分類できます。

 TBSドラマ『半沢直樹』は、隠蔽体質の企業、政府の闇と戦う正義、昔話の『桃太郎』や時代劇『桃太郎侍』『水戸黄門』『必殺仕事人』に見られる勧善懲悪と同等のストーリー。

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 演出の新しさとしては『顔芸』『土下座』『反骨の言霊』をデフォルメし、キャラクターを際立たせたところにあります。清水の次郎長物語を基盤として現代化した『ONE PIECE』の手法に近いといえます。

<結論>仏教思想、仏教観念、その言語化しずらい心の襞、時空感のを描け!(襞:ひだ

 上記を読み解くに、ヒットドラマの法則としては「生老病死四苦の中の生の苦しみの迷路、追い詰められつつも勧善懲悪の正義による成敗、諸行無常に抗う人間情緒の現代風演出」にあります。「追い詰められたヒーロー、ヒロインが最終的に勝利する」というヒットのシナリオは、世界共通のコア観念ともいえますが、日本人文化の場合、陰のレイヤーやグラデーションをより丁寧に描き出します。

 『おしん』の放送は1983年ですから、視聴者の興味、同調、観念コアは、約40年間変わっていません。おそらく『赤穂浪士』(1703年)も同様の起承転結に分類できるので、300年以上もその軸は変わっていないことになります。遡ればもっと過去からあるのでしょう。あらためて思慮すると、日本人文化として心惹かれる観念コアは『仏教思想』そのものにあるのだなぁと思ってしまいます。やはり日本人のDNAに根付いているのでしょうか。




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