第6世代移動通信システム 6Gとは
4Gから5Gへ、そして6G
第4世代(4G、LTE)が主流の今、一部地域は5Gのサービスが提供されている。5Gが完全普及しないかな、既に第6世代に関する議論がなされているのは周知のことと思う。
昨年1月、6G実現に向けて総務省で官民会議が行われました。
官民会議(日本経済新聞) >>リンク
なお、5Gの標準規格に関する必須特許は、NTTドコモが全体の9.5%(昨年同時期は5.5%でした)の特許取得であり、全体の6位という現状です。
【出所:出典:株式会社サイバー創研】
6Gが目指すもの
現在、国内で実用化した5Gは、通信速度は最大20Gbps、同時接続数は1平方キロメートルあたり100万台である。4Gと比べ通信速度など約10倍の性能を実現した。
しかし、その5Gには問題がある。IoTの普及と高度化が、現在のTCP/IPの技術ではデータ伝送遅延を多発することが指摘される。端末数の急増に技術が追随できない。5Gでは、伝送遅延は1msを実現した。しかし、IoT普及によりネットワークへの負荷が急増し、より遅延が設定値を超え、負荷が無視出来なくなる。TCP/IPでは、データ送信を要求しそのデータが送信不良となった時、再度送信要求する。この無駄なやり取りが遅延原因となるためである。この遅延を極限するため、新しい通信規格(プロトコル)研究するところから初めると、上述の会議で報告されている。
NTTは、6G実現のため、2019年「IOWN」構想を打ち出し、世界に先駆けた実用化を2030年頃としている。
光だけで実現「IOWN(アイオン)」構想
NTTドコモは6Gに関し、下図のコンセプトをまとめている。
【出所:NTTドコモホワイトペーパー資料より】
5Gの高度化など、予想される各種ケース、技術要素などのコンセプトがまとめられる。高速・大容量、低遅延、多数接続の5Gで実現した性能のほか、テラヘルツ波などの「新たな高周波数帯の開拓」を実現するなど、技術規格の検討および研究開発を進めるとのことである。
6Gの技術発展とその領域は次の通り。
1.空間領域の分散ネットワーク高度化技術(New Network Topology)
2.非陸上(Non-Terrestrial Network)を含めたカバレッジ拡張技術
3.周波数領域のさらなる広帯域化および周波数利用の高度化技術
4.Massive MIMO技術および無線伝送技術のさらなる高度化
5.低遅延・高信頼通信(URLLC)の拡張および産業向けネットワーク
6.非移動通信技術のインテグレーション
7.無線通信システムの多機能化およびあらゆる領域でのAI技術の活用
そして、IOWNで実現する6G環境には「光技術」による高速化と効率化が重要であり、通信量を向上させ電力量の効率化を達成することも重要。そのため、NTTドコモは以下の3つ実現することが必要としている。
1.オールフォトニクスネットワーク(AFN)
2.デジタルツインコンピューティング(DTC)
3.コグニティブ・ファンデェーション(CF)
これにより、映像伝送時の高フレーム化(従来30から120フレームまで向上)とTCP/IPに変わるプロトコルを開発によるパケット遅延を極限するとともに、サーバーのアーキテクトを変える、とのことである。
※参考資料 NTTドコモHP