日本証券金融(コード:8511)
こんにちは。
信用取引に似た「貸借取引」について記事、ではなく日本証券金融㈱についての記事です。
貸借取引とは
まず1927年に創業した「日本証券金融」は、
信用取引の「資金の貸付け」および「信用売り」を行う際。株券の貸付けなどを主に行う証券金融会社。
株式のほか、債券貸借市場や証券会社の運転資金の貸付業務など
をする。
証券会社を相手に、資金や株券の貸借(資金の融資や株券の貸付)することを「貸借取引」といいます。私たちが、証券会社を通じて制度信用取引をする際、必要な資金や株券を日本証券金融(以下、日証金)から借りる取引のこと。
通常、私たちが信用取引をする際、証券会社は私たちに信用を供与(資金や株券を貸す)し、それら資金や有価証券はその証券会社が保有する自己資金や手持ち株券で賄います。しかし、それら証券会社にも限界があり資金や株券を私たち投資家に貸し出せない場合がある。そこで、日本証券金融から貸りるのです。
この証券会社と日証金の資金・株券の貸し借りを「貸借取引」
と言います。繰り返しになりますが、私たち投資家が証券会社から投資のための資金や株券を借りる(信用取引)時に、その証券会社が貸し出せるだけの資金や株券がなく、その不足株式などを日証金より借りる。
証券金融会社とは
証券金融会社とは既に述べた前述のとおり、証券会社などに対し資金の融資や株券の貸付を行っています。その根拠は「金融商品取引法」に基づいており、同法により免許を受け営業してます。
1950年 全国に9つの証券取引所所在地に
それぞれ証券金融会社が設立
1955年 証取法改正により各地の証券金融会社が
統合、日証金、中証金、大証金の3社に集約
2013年 大阪証券金融(大証金)が、日証金に
吸収合併
2017年 中部証券金融が自主廃業
現在は「日本証券金融」(日証金)のみが現存する
日本証券金融の株価など
東証一部に上場し、直近の株価は782円(3/22)です。事業セグメントは貸借取引(証券金融業)ほか、信託銀行や不動産賃貸を行ってます。
また主事業である証券金融は、直近21年3月期3Q決算を2/5に発表し、
貸借取引 営業収益は8,716百万円
(前年同期比11.4%減)
債権営業 営業収益は9,287百万円
(同53.1%増)
となってます。貸株取引が減少し減収、一方で債券営業部門は日銀による金融緩和強化の恩恵もあり増収となっている。その結果、連結経常利益は前年同期比10.0%増の44.8億円であった。同時に、今期の増配修正(22円→24円)した。直近3ヵ月の実績をみても、連結経常利益は前年同期比9.5%増の14.4億円、売上営業利益率は前年同期の14.5%→16.8%と上昇した。
貸株取引できる銘柄は少ない
貸借取引のできる銘柄は、信用取引の制度信用銘柄とは別に指定。信用銘柄の数よりは少ない。貸借銘柄選定は、まず取引所が上場株券の中から利用可能な制度信用銘柄を選定。さらに、取引所は一定の基準を満たした銘柄を貸借銘柄として選定。したがって、貸借銘柄は制度信用銘柄よりも少ないのです。
では信用取引との違いは何か。信用取引とは、投資家が金融商品取引業者から資金や株券を借りて行う取引のことを言います。
信用取引:投資家と証券会社の間の契約
貸借取引:証券会社と証券金融会社の間の契約
との違いがあり、委託証拠金や追加証拠金が必要な点は違いとなる。
なお、信用取引の種類は
・制度信用取引
・一般信用取引
がある。ちなみに一般に信用取引は負債でレバレッジを掛ける(自己資金以上に投資する)従って、儲けも大きいが、損失も大きくなるリスクがある。
貸株注意喚起銘柄とは
証券会社では、「日々貸株注意喚起銘柄」が公表されています。
一方、貸株注意喚起銘柄とは「証券金融会社が貸株利用等に関する注意喚起をおこなった銘柄」です。証券会社は投資家に対し、信用取引の勧誘を自粛しなければならないことになっています。
例えば、ある銘柄の空売り数量が増加する場合など、今後も貸株が増加しそうな場合は貸株注意喚起銘柄となります。
貸借取引では証券会社に対して証券金融会社が貸付を行っています。
しかし、証券金融会社において株券の調達が困難になると、投資家に予期しないコスト負担が生起し、または空売りができなくなる。そのため日々投資家に知らせている。
まとめると、
・貸借取引とは
==>証券会社が証券金融会社から資金・株券
を借りること
・信用取引とは、
==>投資家が証券会社から資金・株券を
借りること
・信用取引と貸借取引の違いは、
==>信用の供与(資金の融資や株券の貸付)
が違う
ここまで読んで頂きありがとうございます。