6/18の日経先物が前日比−510円 今週の相場は?FOMCの結果を踏まえて
日経平均は5月から29000円台で膠着し、イライラが・・・それも仕方ない状況だと思っており、日本に「材料」がない。上にも下にも行けない状況が継続していただけ。
日本株における材料って何が?
思い着くものを列挙してます。
【国内】
・コロナ感染者数
・緊急事態宣言
・マンボウ(蔓延防止等措置)
・ワクチン接種
・オリンピック、パラリンピック
・台風など風水害(季節要因)
・大規模地震
【国外】
・米国経済(消費者物価指数、FF(政策金利))
・中国経済、米中関係
・尖閣(台湾含む)接続水域に関する安全保障上の懸念
・人権問題(ジェノサイド、人種格差、差別など)
・環境問題(気候変動、脱炭素、持続可能性のある社会)
・パンデミック・・・・
唯一、オリンピックに関することは相場は織り込んでいないと思います。今でも中止の可能性を言う人たちがいるので。しかし、G7サミットで開催に関する各国の激励を頂いているので開催はするのだろう。では、あとは・・ない。そんな状況で、日経平均株価がどのように推移するのか? それが趣旨の記事なので、国内における話題・課題を中心とし、国外の状況をみながら推移について「語りたい」と思います。先週末の先物で大きく売られたのでその辺を手掛かりに探ってみようと思い、記事にしました。
日経平均(先物)のチャート(日足)
5月初め、GW明けに大きく下落して以降、すぐに29000円近辺まで回復しました。それ以降先週(6/18)まで29000円を挟み、揉み合い。
そして先週、FOMC(6/16)の政策金利と今後の見通しが発表。
金融政策は維持する。
経済指標は3月から一部指標(PCEなど)は引き上げ
経済指標引き上げから、金利の引き上げ観測が浮上しそれが経済見通し「ドットチャート」に表出。いよいよ材料が、しかも下落方向の可能性が
声明文では
いきなり全文を掲載します。重要と思うところだけ赤字にしました。
まとめると、前回(4月)声明文をほぼ踏襲。
では、赤字部分を補足説明します。まず、「transitory factors」の部分。インフレは「一時的要因」であるとの認識は変えませんでした。
次に「risk to the ecoonomic outlook remain」の部分。ワクチン接種が進み国民の健康が回復し、経済への影響は減少しつつあるが「(今後発表される)経済見通し(により景気回復に至らない指標が発表される)リスクは未だ残っている」との認識を示しました。
最後「until substantial further progress」の部分。FRBの使命である経済と雇用の回復・改善のため、緩和政策を実施しているが「真に強い改善が見られるまで」この政策を維持する。
以上を声明文に含め、基本は4月の声明を維持したのです。
「今後の見通し」について変化?
マクロ経済見通しにおける変化がみらました。
上が今回配布されたマクロ経済見通しです。今年度2021年における見通しのうち、GDPとPCEが上方修正されました。ただし、2022年以降の見通しは変更ありません。前回(3月)に見通しを出した時点より「強く」なるとみていることがわかります。
最後がドットチャートです。
これは、各委員が各年における利率を予測するものです。今回提示されたドットチャートでは、3月に予測した時点より早めに利上げをすると予測をする委員が増えたようです。とはいえ、このチャートは各個人の意見をドットプロットしたもの。FRMメンバーの総意ではありません。ただ、今後マクロ経済見通しが強くなり、早期利上げの観測を予測する投資家が増えると思われます。従って、今までの認識を改めることになります。
認識がどのようように変化したか
コロナ感染拡大における危機から経済が立ち直るまで早まると言う認識に変化することになります。つまり、23年まに金利が上がる・・・この可能性がある。しかも結構高い確率。ということが市場に伝わりました。そうすると、相場は変化します。
勝手な憶測に基づいて作成してます。が、とにかく早い経済回復を見込むように、変化するイメージとなります。パウエル議長は4月の声明文発表時、「テーパリング(量的緩和の縮小)は考えてない」と言いました。今回の声明文にも基本的な変更はありません。しかし経済見通しは修正されました。そのことについて、声明文及び見通し発表の会見で各記者から質問をされることになります。
会見内容で判明したことは・・
今回のFOMCにおいて
・テーパリング」について議論をしたか?
・テーパリングの時期については?
という質問をした記者(CNBC)への回答はとても曖昧でしたが、
talking about talking the meeting・・・
と発言しました。「about」以下の部分は4月の会同を指していると思います。(あくまでも)推測ですが、事実上テーパリングの議論をしたと、5月における4月会同の議事録公開には「テーパリングについて委員から検討した方が良いのでは」との意見が出たと記載があった。
また、テーパリング時期については、
see more data・・・
議長「まだ、データを見ていなく、もっとデータを見ないと判断できない」と回答していました。「経済指標が強くなったらなら、テーパリングについてしっかり議論し、その議論を開始するということは(市場に対し)ガイダンスする」と回答してます。
日経平均(先物)
まず、FOMCを踏まえて確実に言えることは以下。
ドルが強くなる。
真っ先に反応するのは為替相場となります。その日はすぐに反応し、ドル高相場へ、移行・修正されました。次に理解すべきは次、
利上げがある
利上げ観測が早まることからそうなる。ただ、経済見通しでは2022年以降の指標は3月と同じ水準、上方修正されたのは21年のみ。従って、長期金利に変動がなく、短期金利が上昇することとなった。一方で、株式市場は長期金利の上昇がないことからグロース株が買われる相場。しかし、注目すべきはダウ平均が下げ、景気敏感株が売られる転換となった。日本株に占める景気敏感株は約7割であり、今回の先物の下落は予想可能となり相場をはそうなっている。
今後、下値を探る展開とは思う。が、急落というシナリオもある。また、6/18(金)の下落の反動で買い優勢で反発という可能性もある。現在日経平均の225構成銘柄の平均PERは14倍と低水準です。この水準で売り進める「勇気」があるのかも判断できない。しばらく、様子見しかできない個人投資家の思っていることでした。