クアドセッティングをもう一度見直そう②
大腿四頭筋の萎縮は起こらないはず
通常、歩行は荷重応答期(足が床についた時から反対の足が床を離れるまで)に大腿四頭筋が働きます。つまり、歩いていればクアドセッティングをしていることになるので筋肉の萎縮は起こりません。しかし、変形膝関節症や怪我によって荷重応答期に膝関節伸展が行われないと大腿四頭筋の収縮が弱くなり萎縮が起こってしまいます。
クアドセッティングの注意点
クアドセッティングは大腿四頭筋の筋収縮を促すエクササイズです。このエクササイズで注意点は広筋群の活動が低下して歩行していると、大腿直筋が優位に働いてしまいます。
クアドセッティングの方法と選択的に広筋群へ刺激をする方法
クアドセッティングは大腿四頭筋の収縮の感覚を身につけるのに役立つエクササイズです。しかし、膝関節完全伸展ができない関節の機能が破綻した状態ではこの収縮の感覚を引きだすのが難しいため工夫が必要と考えます。
①、膝窩にバスタオルを丸めたものを入れる。
②、つま先の方向は基本的に上を向いた状態。
(患者が安楽な肢位をとると下腿外旋位となるため気をつ
ける。)
③、タオルを押しつぶすように膝伸展をすると筋収縮が促され
ます。広筋に触れて収縮のイメージをしてもらいましょう。
(痛みがでない程度に膝関節を伸展するイメージを持って
行うと広筋群の収縮が起こりやすい。)
(過剰な努力をしている場合は臀部の挙上、間違った認識
をしている場合は足部底屈が起こるため注意。)
※)大腿直筋の筋収縮が強い時は大腿直筋に圧を加えⅠB抑制
を加えると広筋群の収縮を促しやすくなる。
※)収縮運動時に膝蓋骨の頭側への移動があります。この移動
をさせないように頭側から尾側に抵抗を加えると大腿四頭
筋の収縮を高めやすくなります。