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違和感のなさ


初めてのヨーロッパ。

そして、初めてヨーロッパに訪れる人が行く国としてはめずらしいであろう、アイルランドに住んでいる。

日本からアイルランドへは、フィンランド経由で約15時間。フィンランドに着いた時には、日本の各地から到着する便が集中する時間帯だったこともあり、ヘルシンキ空港には日本人と日本語が溢れていた。それでもやはり、30度近い日本から10度台の北欧フィンランドに放たれたせいか、”異国”を、まさに肌で感じた。

トランジットのための時間は1時間だったため、ムーミンやマリメッコなどのフィンランドならではのお土産を少しだけ眺めた。買いたい欲はもちろん出てきたが、10ヶ月先の帰りの便のお楽しみとして頭の片隅に留めておき、ダブリン行きの飛行機へ乗り込んだ。

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そこからは、周りを見渡しても、日本人が一人いるかどうかの飛行機の中だった。CAさんに飲み物を受け取って以降は、3時間ほどのフライトだったが、ほとんど夢の中だった。起きた頃には、着陸の少しのドキドキに機内が少しざわついている様子で、まだ眠たい僕は、上手く開かない目でぼんやりと窓の外を眺めていた。


ダブリンに到着した。入国審査を終え、空港の外へ出た。

ぼんやりとした寝起きのせいか、はっきりはしないが、日本からはるか真逆、遠く離れた異国の地にも関わらず、違和感はなかった。言ってしまえば、新鮮みは全くなかった。


遠い遠い国アイルランド。


確かに疲れていただけなのかもしれないが、この、一度住んだことがあるかのような居心地の良さを感じさせるこの土地で10ヶ月間暮らせることができる期待と必ずぶつかるであろう困難、ショックへの不安が混ざって、総じて、わくわくしている。

そんな初めての気持ちを心のどこかに閉まって、ときどき引っ張りだしながら、毎日大切に過ごしていきたい。

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