見出し画像

ピラネージについて

絵を描いている、芸大卒等と話していると、頻度高く聞かれる質問として、好きなアーティストは誰?があります。
人によってはイラッとする人、あまりに漠然とした質問に困る人など居ると思いますが、私は特になにも感じずに迷わず「ピラネージ」と言います。

補足として、最も好きなアーティスト(ピラネージのは建築家であり、銅版画による作品が有名)という意味であり、ピラネージ以外興味なし!という訳ではありません。

そして、大体の人は、ピラネージと言われても分かりません。
その辺りは私自身もよく理解しています。
なので、「誰?」と言われても不思議ではありませんし、「あぁ!ピラネージか!」と言われたら、ビックリしますし、めちゃくちゃ嬉しいです。

彼の本名は「ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ」といい、18世紀のヴェネツィア出身の建築家、兼、銅版画家です。
最も有名な作品群として、「ローマの景観」や「パエストゥム遺跡」などがあります。

私が彼の銅版画を初めて観たのは、上野の国立西洋美術館での特別展「ローマの景観」に出展されていた時です。
フォロ・ロマーノやコロッセオが信じられないほど魅力的に描かれている事に衝撃を受け、その銅版画の前から動けなくなりました。
こんなにローマを魅力的に描いていた人が居たのか!?
観れば観るほど、憧れのローマが目の前に広がっていきます。

ピラネージの描く、ローマは実際の景色をもとに描かれていますが、縮尺や角度などはかなりアレンジされており、ピラネージの世界観で描かれています。
ただ、その世界観が「作家の個性」という、どうでもいいものに頼っておらず、ローマの魅力を最大限に引き出す、構図、パース、バルールに寄っているので、ローマを1度のでも訪れ、そのスケールに圧倒され、魅力された人間からすると、「そう!体感的に感じるローマってこうなんだよ!」、「ローマはこうあるべきだ!」、「ローマのどこが最高かって、ピラネージは分かってる!」と素直に大興奮できます。

今後ピラネージの銅版画に対して、超個人的な感想を書いていこうと思います。
ピラネージの描くローマの素晴らしさ、ピラネージの描写力の凄さ、下手さなど、好き勝手に書きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?