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「April 7, 1945」制作記_2 "船体作業"

本編の「作品制作」に入ります。

まず最初は「船体」を作るんですが、よく展示していて

「何でできているのか」

「中は模型なのか?」

「骨組みを組んでるのか?」

などよく聞かれますが、船体の主な素材は……





毎回「マタタビの粉がおまけで付いてくるので、やたらマタタビ小菜が家にあります、猫もいないのに…….」

「猫の爪とぎ」です。

厳密にはハニカム構造とかではないですが、構造的に丈夫で、かつ軽量、そして加工しやすい(同じ紙同士なので接着もしやすい)

過去色々「軽くて簡単で丈夫に紙の塊を作れる素材」を探してきましたが、数年前にふと思いつき、試してみたらもう完璧!

戦艦アリゾナから船の船体は猫の爪とぎを多用しています。
(※うちに猫は居ません……….)


作品ごとに、適切な厚さ、サイズの「爪とぎ」を探します。

猫の爪とぎも、メーカーによって厚さや大きさ、素材感、値段など全然違うので、その辺は現在色々探しつつ、試してみています。
(色々買ってみて、まあ当たり前といえば当たり前ですが、ちょっとでも値段が高い方が、作りがかなりしっかりしています。安いのは、表面のぼさつきや、切り口が汚かったりと、猫の爪とぎにはいいですが、制作には少し使いにくい感じがありました。)




そして、その猫の爪とぎを、船体にどう使うのか…….




今回の大和に関しては、大体喫水線から上下に分かれてボリュームがついています。

ざっくりこんな感じ
(図面引用:スーパーイラストレーション 戦艦大和 (MODEL ART))

厚さ2.8cmと2.6cmの2種類、全部で3段猫の爪とぎを重ねます。
厚さが違う理由は、上甲板と船底に「イラストレーションボード」で綺麗な平面を出すためのボリューム調整と、爪とぎ自体が地味に幅や長さなどサイズが違うものを交互に入れて、しっかり固定するためにつなぎ目がかぶらないようにしています。


また爪とぎ3段のの中にあるベニヤ板は、作品本体を構成する素材ではなく、台座にしっかり、外れないように固定するための「鬼目ナット(ツバ付き)」を固定するための場所となります。

こういうの

今回は、これのM8を艦首1箇所と艦尾1箇所、中央に両舷2箇所、合計4箇所に設置します。




まずは、喫水線、船体の一番ボリュームが細くなる場所のサイズでベニヤ板をカット。

そして、図面を戻り切り出したベニヤ板を元に、爪とぎの幅や全長を切り貼りして調整し、底側2段の爪とぎを木工用ボンドをたっぷり塗って接着します。


(ここら辺写真撮り忘れました…..)


その後、ベニヤ板を同じようにボンドをたっぷり塗って接着します。
船体中央あたりのボリュームに沿ってある程度爪とぎはカットしておいて、艦首・艦尾側はある程度接着したらカットします。

ベニヤにボンドを塗りたくり、爪とぎに接着します。


そしてありったけの重しを乗せて、しっかり接着させます。




そして、一晩しっかり接着剤が乾くのを待ちます…….







翌日、大体接着したのを確認したら、艦首・艦尾の余分な部分をカットしていきます。
この時点でのカットは、カッターを主に使っています。

また、艦尾の方の爪とぎの色が変わっているのは、紙を固めるための液体を散布したので湿っているため色が変わっています。
(カミカタメール 的な液体を塗っています。)



艦尾は一応中央部分に、舵がつく部分を中心にボリュームをカット、調整していくので、中央に治具としてさし込んで、様子を見ながらカットします。

今回一部使用した爪とぎは、ちょっと失敗でしたね….(ぼろぼろになって加工しにくい)




そして艦首にはバウ部分のパーツを接着。
これに3mmのイラストレーションボードをカットし付け、大和の特徴でもあるバウをしっかりと成形できるようにします。




船体底部全景

船底部分の最初の作業は大体終わりで、次はこれを裏返し、ベニヤ面を上にして、鬼目ナットの穴をあけ、接着していきます。



つづく


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