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「April 7, 1945」制作記_6 "船底削り出し"

今回は艦底部分周りを削っていきます。

輪切り図面でいう赤丸のところ
(図面引用:スーパーイラストレーション 戦艦大和 (MODEL ART))



現在の艦底部分は切り出して貼った状態のままになっており、縁の部分も直角です。
また艦首艦尾も形がまだ定まっていません。

そこらを削って、貼って、整えていきます。

現状の艦底部分




まずは艦尾から


図面でいうここら辺の形を出します。
(図面引用:スーパーイラストレーション 戦艦大和 (MODEL ART))


前回左右に貼った部分の、不必要な部分からザクザク大雑把に削っていきます。

艦尾側

艦尾側は今後スクリュー・スクリュー軸や固定部分などを付けるので、結構気を使う部分でもあります。
(微妙にボリュームの付きが多くても少なくても、スクリュー周りのイメージが不自然になってしまいますので…..)


削るのと同時に、ボリュームが足りない部分や、最初にやった作業で削りすぎた部分などにイラストレーションボードを厚さや形を調整して貼り付けていきます。

艦尾左右やそこの部分に貼り付け



貼り付けたのが諸々接着したら、こちらもガンガン削っていっちゃいます。




次に艦首側。


ここら辺りの形を出していきます。
(図面引用:スーパーイラストレーション 戦艦大和 (MODEL ART))



艦首バウに向かって角が大きく丸まっていくので、まずは図面や資料の模型を見つつ、大体の位置を鉛筆で書き入れます。

縁の部分から2cmくらいのとこに鉛筆でマーキング



そして削り出します。



艦首バウあたりから、カッターでガンガン削ります、まだ最初の削りなので、多少荒くても問題ないので、ガンガン刃物で削ります。

艦首バルバス・バウ


ガンガン削っていますが、削っていくと、途中どうしても芯材の「爪とぎ」が出てきます。

以前はそれも含め削り、その後表面に薄くしたイラストレーションボードや他紙を貼っていたのですが、大きい船も既に3隻作っているわけで、その過程で色々気付き、現在はどうしているかというと…….↓




ハンマーで叩いてます


作業風景

なんでハンマーで叩いてるかというと、単純に内側(爪とぎ)部分が、表面のイラストレーションボードを貼るために大量に塗り込んだボンドで結構硬くなっており、削るよりも「叩いて潰し、形を整える」方が楽なのと、叩くとうまい具合にイラストレーションボードも変形し、削るより形も整うし、何よりその場所が圧縮されて丈夫になり作品強度も上がるので、船体作業をやる際(特に曲面)はハンマーで叩いて微妙な形の調整をしています。




そんな感じで船体を削って貼って叩いて調整していき……




船体横のボリューム

こんな感じでちょっとずつ「大和」らしい船体の形が出てきました。

図面でいうこの場所
(図面引用:スーパーイラストレーション 戦艦大和 (MODEL ART))



艦尾もグラインダーでざっくり削ります。

茶色いのはグラインダーで削れて焦げた部分

ざっくり削っただけですが、けっこう良い感じに削れました。
(ここは、後々ちゃんと整えていきたいと思います。)



あと艦首側左右一部太さが合ってなかったので、イラストレーションボードを適度なサイズに切って貼り付けて調整しました。
(これらも乾いた後に下の部分(喫水線側に向かって)をカットして曲線を出しました。)

左右にくっついてる部分がふやした部分。



とりあえず今回の削る作業は完了しました。


今回の削る作業、今まで作ったアリゾナや氷川丸より全然でかく、作業机の上でほぼ作業できなかったので、気をつけながら抱えたり膝の上で作業していました。

作業風景

過去こういう感じで無理な格好で作業しているときに手のひらぶった切って大出血して何針も塗ったり、太ももにぶっ刺したり、ほか色々危険なことがあったので、今回は慎重に作業しました。
(そのおかげで特に血を見ることなく作業できました、これからも気をつけて作業していきたいと思います。)






そして、一旦全体の形を見るのと、表面を整えるために、爪とぎが丸出しの部分と削った場所の一部に和紙を貼っていきます。



艦尾
艦首

和紙を貼る理由としては、模型などの「サーフェイサー」を吹いて全体の形や凹凸を確認するのと近い感じです。

全体がパーツごとに違う色だと形を認識しにくいですが、同じ色になると、形を認識しやすくなるので、今後の修正点なども見えやすいし、和紙で表面が整うので下地材代わりにもなります。


和紙貼った全体像

こんな感じになり、多少
違う色はありますが、艦首と艦尾、全体の形がわかりやすくなりました。




そして、ここから割と重要な作業の一つですが……


和紙を貼りましたが、そのままでは今後ヤスリでヤスったり、グライダーをかけると、ベロベロ剥がれて汚くなってしまいます。
またイラストレーションボードも表面が剥がれて大変なことになります。

そうならないように、とある作業をします。

これはここ近年の作品制作でほぼ全てで使っています。




そのアイテムが、これ↓


大変お世話になってる素材

模型用固着材「Super Fix」

これは水で数倍に薄めて使うもので、主に鉄道模型の「バラスト(線路の下にある石)」を固定するための液体接着剤みたいなものです。

最近は模型用品で紙を固めるための液体「カミカタメール」という商品なども販売しているのですが、少し使うだけならそれでもいいのですが、自分は制作で大量に使うので、少量で結構高い品を使っていたらお財布の負担がやばいので、何か代用できるものはないかと探した結果、これに行き着いた感じです。

(何個か前の制作記事で船体の爪とぎに塗っていたのもこれです。)




Super Fixの薄めたものは常に用意してあるので、それを大きな刷毛でガンガン塗っていきます。


塗って閉めると、ちょっと木材ぽい色味になります。

いらすトレーションボードむき出しの部分はしっかり染み込むように塗っていきます。

ただ画像イラストレーションボドの白い部分、表面の本来「絵を描く場所」に当たる部分は、染み込みがあまり良くないのでそこは軽く塗る感じにしています。(変にベチャベチャにすると、表面に膜ができてしまい、ボンドの接着が甘くなってしまいます。)


艦尾


爪とぎに直接和紙を貼った場所もしっかり染み込ませるために多めに塗っていきます。



艦首



和紙を貼った場所、ほか削ったり作業した場所全てに塗り終わったら、乾くまで他の作品の作業をして待ちます。
(その「他の作品」もおいおいnoteにまとめていきたいと思います。)





次回は甲板全体を1mmイラストレーションボドでカット、全体を隠す感じで甲板を貼って船体基礎の大きい部分の仕上げに向かっていきます。




つづく


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