
『天使の翼』第12章(96)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
わたしと視線を合わせたオスのデビル
驚いたみたい
わたしの中に何を見たのか
すっと視線を和らげ、
何事もなかったように去っていく
いよいよ旅立ちの時が来た
空白地帯の迷い人であるわたしを
エリザは人里まで届けてくれるという
わたしは、二つだけリクエストした
その人里は、
わたしがあなたの背に乗って
いきなり現れても
わたし達を温かく迎えてくれる
人情の何たるかを知った人たちのいる
土地であることを
そして、もちろん、
デビルのことを
よく知っている人たちの土地であることを