『天使の翼』第11章(99)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
「――デビルの精といっても、ピンからキリまであるのです……」
少佐は、最も安価な部類は、それこそ気休め程度の効果しかない栄養剤のような代物に過ぎないのだが、最高級のグレードになると、実際に加齢抑制効果がある、と言い切った。
「何年くらい長生きできるの?」
わたしは、初めてこの話題に接する振りをして、関心を示して見せた。内心では、またまた、マウンテン・デビルを殺すことに対する猛烈な――自分でも不思議な程の――抵抗を覚えながら。
「優に十年を超えます」
わたしは、目を剥いた。シャルルの話と違う。数年と10年ではえらい違いだ。少佐は、身びいきに大げさなことを言っているのか?本当にそう信じているのか?