『天使の翼』第11章(112)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
わたし達の指揮官機は、辛くも断崖の上まで浮上することができた。
だが、その直後、急速に車体を傾けると、どこまでも続く岩場――山上は、遥か遠く陽の光に白く輝く連山を望む、岩だらけの平原だった――に向け、斜めに突っ込んでいった。さっきまでの雲行きが嘘のような快晴の空の下、地上に激突するまでの時間は、不思議ととても長く感じられた。
わたしの頭の中で、普段なら作らないような妙な歌が渦巻いた――気絶するまで……恐らく気を失った後も……
(第11章 完)
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