待ったなしのAI活用~従来型のPDCAはもう古い!~
日経電子版の記事【アマゾン、業務の効率化にAI活用を徹底(The Economist)】を読むと、企業がAIを導入して業務を効率化する重要性・必要性・喫緊性がひしひしと伝わってきます。AIは、生身の人間では到底不可能なレベルで、膨大なデータをスピーディーに処理できるため、AIによって効率化されているか否かという事は、最終的な顧客のベネフィットに大きな差をもたらすのです。
改めて「AIによる業務の効率化とは何か」ということを考えると、基本的には、AIが、まず、特定の対象のビッグデータを反復学習して『モデル化』し(=対象の特徴を把握して『法則化』する)、次に、そのモデルを(ノンプログラミングで)『システム化』して、『新しいデータ』が入力されてきた時に、それに対する『予測』が『自動化』される、ということだと考えられます。
▶『AIによる業務効率化』の図式
効率化したい業務
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効率化したい業務に関する『ビッグデータ』
⇩
AI『反復学習』・・・特徴を抽出(法則性の発見)
⇩
AI『モデル化』
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AI『システム化』
⇩
その業務に関する新しいデータに対する予測が自動化
このように、『AIによる業務効率化』とは、何よりも、AIが、その業務に潜んだ法則性を発見して、業務を自動化してくれる、という事に他なりません。同じことを人手でやろうとした場合に比べた優位性は明らかです――
▶『AIによる業務効率化』の優位性
①『法則性の発見』・・・生身の人間では到底扱いきれない膨大なビッグ
データの中から、人間では気付けなかったかも知れない法則性を発見
できる。
②『予測の自動化』・・・その業務に関して、到底生身の人間では捌ききれ
ない量のデータが次々送られてきても、自動で対応できるようになる。
③『精度の向上』・・・AIによる予測の精度は、扱うデータの量が増えれば
増えるだけ向上していく。
このような圧倒的優位性が最終的な顧客の『ベネフィット』、(AIによって強化された)サービスによって顧客が体験できる価値にどのように影響するか整理してみると――
▶『AIによる業務効率化』がもたらす
『ベネフィット』
①『今までなかった全く新しいサービス』・・・人間の力だけでは実現でき
なかった、今までにない全く新しいサービス、今までは夢だったサービス
を受けることができる。
(例)配車サービス・・・AIの需要予測による配車が、待ち時間の大幅な
短縮、必要な時に乗れるタクシーを実現する。
(例)フルフィルメントセンター・・・ネット通販における在庫・受注・
梱包・発送・入金・顧客データ等の管理を高度に
自動化することで、業務が著しくスピードアップ
し、従来では考えられない程早く商品が届く。
(例)無人店舗・・・入店時に自分のバーコードをスキャンすれば、後は、
商品をピックアップして帰るだけ。
②『今までは回避するのが難しかったリスクの減縮』・・・人間の力では回避
するのが難しかったリスクを、予測して回避できるようになる。
(例)クラウドサービス・・・特定のサイトに利用者が殺到して、処理能力
不足から、利用者にエラーページが表示されて
しまうような事態を回避する需要予測。
(例)災害予測・・・膨大なデータ、ビッグデータを解析するAIの強みで、
災害を実際に経験する前にシュミレーションして、
防災対策などが適切か検証する。
③『リアルタイムでパーソナライズされたサービス』・・・AIが高い精度で
リアルタイムにパーソナライズされたサービスを提供してくれる。
(例)レコメンド・・・今読みたいと思う本を紹介してくれる。
(例)AI先生・・・AIを活用したエドテックでは、AIが生徒の理解度に
リアルタイムに対応して、苦手な要素を特定し、
克服するための解説をし、例題を出してくれる。
(付記:『AI先生』については、下記でも考察しています。)
まだまだあるかも知れませんが、ユーザーにとってのベネフィットは、AIを導入しないサービスとは比べ物にならない事は明らかです。
第4次産業革命の時代の企業は、あらゆる業務のPDCAを回す時、AIを活用する必要がありそうです。
▶従来の『PDCA』
=Plan 計画⇨Do 実行⇨ Check 評価⇨Action 改善
▶第4次産業革命の時代のPDCAは『PDBA』?
=Plan⇨Do⇨ビッグデータ収集⇨AIによる業務効率化