分かち難いソフトとハード~日本企業の進む道~
日経電子版の記事【スマホ端末もAIも グーグルが狙う「三位一体」戦略】は、「鬼門」のハードを諦めず、スマートフォンなどのハードウエア事業の強化を急ぐ米グーグルに関するリポートです。
この記事で最も印象に残るくだりは、次の一節ではないでしょうか――
(記事より)
それでも「鬼門」のハードを諦めないのは「人工知能(AI)やソフトと組み合わせ、最良の利用体験を提供する」(スンダー・ピチャイ最高経営責任者=CEO)ためだ。特にAIなどソフトの技術の発達に伴い、高度なソフトに対応する半導体やセンサーといったハードを一体で提供しないと、差異化や新たな価値の提供が難しくなっている。
――AI・ソフト・ハードが別々の会社で十分な連携が取れていないと、丸投げはないにしても、AIのポテンシャルを十分に引き出せないハードであったり、ソフトのポテンシャルを生かしきれてないハードであったりと、AI・ソフト・ハードの最適化・最大化された一体感のあるプロダクトが作り出せないリスクがあります。それでは、UX(ユーザーエクスペリエンス)、ユーザーの体験価値の最大化は望むべくもありません。
この指摘に触れて、つくづく思うのは、どんな素晴らしいAI、ソフトも、それを実装するハードがなければ意味がなく、そこにこそ、モノづくりニッポンの存在意義があるのではないか、という事です。
『モノづくり』に軸足を置いた『AI(ソフト)とモノづくりの融合』によって、ユーザーのインサイトに肉薄する全く新しいイノベーティブなプロダクトを生み出す事こそが、日本企業の進むべき道なのではないか、と思える記事でした。
(付記:『AIとモノづくりの融合』については、下記の拙稿でも考察しています。)
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