ポケモンGO、やっぱりそうだったか!
日経電子版の記事【ポケモンGO 始まりはエープリルフール ポケモンGOのつくり方(1)】は、多くのユーザーの心に刺さり大ヒットしたポケモンGOの開発にまつわる、とても興味深い内容です。
私は、この記事の肝、とでも言うべきくだりは、次の一節だと思います――
そこに流れていたのは「ポケモンチャレンジ」と題された動画で、スマホを手に岩山や砂漠を探検するひとたちの姿だった。岩陰にスマホをかざすとポケットモンスターのキャラクターが画面にあらわれる。ボールを投げてポケモンを捕まえる。架空のポケモンと実際の世界がARでつながる独自の世界がそこに繰り広げられていた。
――これだけ読むと、まるでポケモンGOそのものですが、実は――
動画はグーグル内で毎年実施されているエープリルフール企画の一環で、グーグルマップなどをつくる地図部門の社員らがつくったもの。4月1日にグーグルマップ上でポケモン探しができるというアイデアを社内外に告知するために、架空の技術を本物であるかのようにアピールする内容だった。
――ポケモンGOの出発点は、エイプリルフール、架空の探検を描いた『夢』だったのです!
この事実は、コト消費の時代にユーザーの心に刺さるイノベーティブなプロダクト(モノ・サービス)を生み出すには、文字通り『夢』が必要、『夢』のような体験の実現をユーザーと開発者が共有することから始まるのだ、という事を再認識させてくれます。
ユーザーの心に刺さるヒット商品は、『今までにない体験』を実現するモノであり、『今までにない体験』とは、すなわち『夢』なのです。そのためには、単に、ユーザーのニーズを『他人ゴト』の様にリサーチしているだけではダメで、何よりもまず、『自分ゴト』として『夢』を見る必要があるのかも知れません。
その為にはどうすればいいか、難しい理屈は不要ですが、敢えて言うなら、今はやりの『アート思考』、アートで夢を思い描くコトなども、その一つの手法かも知れません……