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『天使の翼』第13章(8)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
急降下の風圧に耐えて、エリザの鱗の隙間から何とか前方を確認したわたしは、エリザが盆地中央のタワービル群へ向け、徐々に水平飛行へと移っていくのを見た。速度が少し落ちついて滑空状態に入る……みるみる近付いてくる個性的で一つとして同じもののないタワービル群、その中央の湖……湖の畔に大きな公園がある!……でも、何かおかしい、わたしは違和感を覚え、すぐにその理由を悟った――
『ふふ、構やしないわ』
わたしが問いただすより先にエリザが語りかけてきた。
「エリザ、あそこに降りちゃったら、帰るとき、どうやって飛び立つのよ⁈」