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地方菓子メーカーのパラダイムシフト~観光需要から全国区・普段使いへの変化対応~
日経電子版の記事【地方土産の定番、家庭でも食べて ネット通販に活路】では、観光需要に支えられていた地域の菓子メーカーが、ウィズコロナ・アフターコロナの行動変容の中で、観光需要以外の需要の開拓に乗り出している姿がリポートされています。
今般のコロナ危機は、インバウンドに湧いていた観光周辺産業に顧客の激減という逆風をもたらし、また、その回復のスピードや規模についても厳しさが見込まれています。この状況を脱するには、観光客ではない日本全国の一般の顧客へ向けて販路を拡大し、バーチャルな観光気分を味わってもらうバーチャル観光需要、さらには普段使いのお菓子へと変化対応して需要を喚起する必要があるのかも知れません。
今後、ある程度観光が再生してきた時に、観光需要一本のリスクを避け、もう一本(あるいは複数)の事業の柱として何を打ち立てるべきか、さっそく記事などからピックアップしてみると――
▶観光需要以外の事業の柱をどうするか
① 自社製品のネット通販。
② 地域の名産のセットを、他社とコラボしてネット通販。
③ ネット通販の送料の割引、期間限定販売、キャンペーンなど。
④ スーパーで自宅用として(箱詰めではない少量パックなどで)販売。
⑤ ツイッターなどSNSに公式アカウントを開設し情報発信。
など
ここに、これらの施策を進めるに当たって留意すべき点を考えるなら――
▶脱観光需要の留意点
(1)そもそも、地域の銘菓として、ストーリー(歴史)と美味しさという
2つの強力な優位性があり、そのポテンシャルは大きい。それをどう
普段使いの商品開発に生かしプロモーションしていくのか
(アーティストとのコラボ・人気キャラクターとのコラボ・大手菓子
メーカーとのコラボ・リモート試食会等)、仕掛けがきわめて重要だと
思われる。
(2)仮に全国区の普段使いを目指すのなら、商品の容量・パッケージ・
ネーミング・プロモーション・販売ロット・テイスト・対象となる顧客
(子供向け・大人向け等)・価格設定・賞味期限など、あらゆる面で
今までの観光土産とは違った発想が必要になるのではないか。
地方菓子メーカーのパラダイムシフト、観光需要から可能性を秘めた全国区・普段使いへの変化対応からは目が離せません。
(付記:2020年5月19日、皆様のおかげをもちまして、noteへの連続投稿が500日を達成できましたことに、改めてお礼を申し上げます。下記の拙稿で振り返りをしています。)
《連続投稿530日目。
当ページにご来訪いただき、ありがとうございました!》