ナチュラルローソンから学ぶこと
日経電子版の記事【ナチュラルローソン、女心つかみ30カ月連続増収】は、30ヵ月連続で増収を保っているナチュラルローソンの経営手法に切り込んだ好リポートだと思います。
そもそも、巨大コンビニチェーンなどスケールが大きいという事は、ともすれば売場の均質化を招き、消費者一人ひとりが各々の体験価値を追求する『コト消費』の時代に細分化されるスモールマスな市場とはかけ離れていく、優等生だが面白みのない売場になってしまうリスク、スケールデメリットがあると言えます。――スケールが大きいがために、ユーザーのターゲットを絞り込めず、どのユーザー層にも最大の顧客満足を提供できない中途半端な状態に陥ってしまうのです。
その意味で、「(記事より)ターゲットは働く女性や主婦、それに高価格商品でも手を出せる男女のプチ富裕層」というナチュラルローソンの施策には大きなポテンシャルが感じられます――
▶ターゲットを絞り込むメリット
①『スモールメリット』・・・オーナーと本部とのコミュニケーションなど、
様々な場面で小回りが利く。
②『イノベーティブな商品開発』・・・ターゲットに刺さる尖ったプロダクト
を開発し、ユーザーとのエンゲージメントを強化できる。
③『高品質』・・・供給量に限りがある高品質な素材も、スモールな規模
であれば扱えるため、百貨店品質を追求できる。
④『マーケティング』・・・オーナーと本部のコミュニケーションが円滑な
スモールメリットによって、売場の声、お客様の声が吸い上がっていく。
⑤『独自の世界観』・・・ターゲットを絞る事で、個性的な商品と居心地の
良い売場などを提供できる。
⑥『バズる』・・・絞り込んだターゲットに刺さる尖ったプロダクトには、
より広い消費者層にバズるポテンシャルがある場合も。
ユーザーの体験価値が細分化されスモールマスな市場が形成される時代には、スモールメリットの追求に大きなポテンシャルがありそうです。
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