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《連続投稿554日目》リサイクルで環境負荷を低減するのは付加価値、そして、付加価値を実現するのはアイデア

 日経電子版の記事【ビニール傘が質感豊かなバッグに 職人技で環境貢献】では、廃タイヤをリサイクルしたバッグ「SEAL」で知られるモンドデザインが、廃棄されるビニール傘を独自の加工法でリサイクルし、第1弾としてトートバッグなど3製品を発売した旨リポートされています。



 そもそも、廃棄物のリサイクルを考えた時、①廃棄物を単に焼却したり、埋め立て処分などに回すのではなく、②焼却の際に発生する熱エネルギーを回収して利用する『サーマルリサイクル』、さらには、③新しい製品の材料・原料として使う『マテリアルリサイクル』が好ましいのは明らかです。

 しかし、分かっていても『マテリアルリサイクル』がなかなか進まないのは、記事などからその理由を大きく2つ挙げられそうです――

▶『マテリアルリサイクル』が進まない理由

① 再利用のための処理が困難でコストが大きい
 (ビニール傘の場合は、金属・プラスチック・ビニールと複数の素材が
  使われており、しかも、頑丈なため、分別がしにくい。)

② 再利用のための素材として魅力がない
 (ビニール傘の場合は、見た目・手触りがペラペラで安っぽく、質感に
  魅力がない。)  



 素材化するコストが大きく、しかも、素材として魅力が少なければ、『マテリアルリサイクル』への道は限りなく遠のきそうです。

 この記事の事例が素晴らしいのは、試行錯誤の末に、そんな廃棄されるビニール傘に、素材としての付加価値、数枚のビニールを圧着することで、窓に雨が当たって滴り落ちるような表情『GLASS RAIN(グラスレイン)』を見い出したことに違いありません

 製法に工夫を凝らし、文字通り素材に付加価値を付け加えることで、素材としての魅力を向上させ、その魅力でもってコストを上回る商品価値を作り出したのです。



 『マテリアルリサイクル』等によって環境負荷を低減するためには付加価値が必要、そして、その付加価値を実現するのは開発者の情熱とアイデアである事をこの記事は教えてくれていると思います。




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