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『天使の翼』第11章(96)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
「お三方には、大変なご迷惑をおかけしました――」
少佐の言葉に、我々は耳を傾けた。
このような特別な処遇をすること自体に、わたしは、SSIPという強圧機関の独善性、超法規性と優越意識を感じる。
少佐は、腕の時計を見て――
「このままいけば、せめて時間のロスだけは帳消しにできると思いますよ」
「クラレンス――」
ローラが――恐らく意図的に――階級抜きで呼びかけた。
「――『せめて』、何があったのか、概略くらいは話してくれてもいいんじゃない?」
そう言って、ちらとシャルルの顔を見る。
彼は、素知らぬ振りを装ったが、もちろん情報は欲しい。