再発見されるリアル店舗の価値
日経電子版の記事【ウォルマート最高値、見直される実店舗の価値】は、ネットとリアルの融合でアマゾンエフェクトの猛威に立ち向かうウォルマートの好業績をリポートしたものです。
記事では、そんなウォルマートのネット通販事業の切り札として、「Buy Online Pick-up In Store」の頭文字を取った「ネットで購入して店舗で受け取る」サービス『BOPIS（ボピス）』が取り上げられています。
注目すべき『BOPIS』のサービスについては、折に触れて考えてきましたが、改めてその優位性を整理してみると――
▶『BOPIS』～ユーザーのメリット～
（１）リアル店舗で買物するより有利な点
①『商品を探しやすい』･･･デジタルの検索性により、リアル店舗で商品を
探すより見付け易い。
②『買物の手間が省ける』･･･店内を探す手間・レジの順番待ちを省ける。
③『時短になる』･･･商品を探しやすく、買物の手間が省けるので、特に
忙しい時の時短効果は大きい。
④『事前に在庫を確保できる』･･･買い物に行ったものの品切れしていた、
といったストレスがない。また、人気商品の確保などで威力を発揮する。
⑤『受取日時を指定できる』･･･指定した日時に受け取りに行けば、
品切れ等なく確実に商品を受け取れる。
⑥『空き時間に買い物できる』･･･注文してから受取までのリードタイム
にもよりますが、会社の行き帰りの電車の中や、休憩時間など、時と
場所を選ばずに買い物できる（移動しながら買い物できる）。
⑦『鮮度の良い商品を確保できる』･･･特に、来店時間によっては商品の
鮮度等に売れ残りのリスクがある生鮮食品で威力を発揮する。
（２）ネット通販で買物するより有利な点
①『送料の負担がない』
②『その場で返品できる』･･･受取時に品物を見て、その場で返品できる。
③『家で待ってなくて良い』･･･家で配達の時間帯を拘束されることが
ない。
まさに、『BOPIS』とは、ネットとリアルの良いとこ取りをしたサービスで、買物プロセスの最初から最後まで、商品探しから決済、返品までをストレスフリーに快適に行えるため、顧客満足が著しく向上するのです。
『BOPIS』は、『ネットとリアルの融合』施策の中でも特に卓越したサービスで、店舗だけでもない、ネットだけでもない、優位性のある顧客接点であると言えそうです。