一生モノの課題図書 2
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
本当に読んでよかった本です。
2019年で一番。
推薦していただいた前職の技術本部長に感謝です。
人種差別、階級差別、LGBTQ差別。
これらが剥き出しに、容赦なく飛び交うイギリスのローカル中学校。
そしてポリティカル・コレクトネスというオトナの歯止めが効かない子供達。
学校と家庭でもがく彼らの姿を、この本はそこに根を張って生きる大人と子供の視点で生々しく切り取っている。
そして、この親子自体も差別の中でもがき、”話し合う”のだ。
僕が保育園の時、両親が中国人の友達が何人かいました。
引越しなどで次第に人数は減りましたが、1人は中学校まで一緒でした。
彼(ら)は言葉や出身、経済的な問題で多くの差別を受けていました。
でも、僕と母親の間でこの本の親子がしているような会話はありませんでした。
少なくとも僕は意図的に避けていたように思います。
「多様性」が今ほど推奨されておらず、ダイバーシティという言葉もなかったあの頃、子供がその領域に首を突っ込むのは勇気がいることだったと思います。
僕がその頃の差別を正面から振り返れるようになったのは大学生になってからでした。
だからこそ、この本を日本の中学生に読んで欲しいと思います。
小学校高学年でもいい。
差別をすること、されること、それに対し何を感じ、何ができるか。
それを”話す”ことが正しいのだ。
それが少し理解できるだけでも、本当に価値のあることだと思うのです。
正に一生モノの課題図書でした。