かけっこ練習ノート – 2つの腕振りと使い分け
9月22日(木)
今日の練習は、6年生グループとそれより年下のグループで行いました。
どちらのグループも、まずは「足が速くなるドリル」をしっかり行います。
みんなには、このドリルの意味を理解してしっかりやれば、必ず足が速くなると繰り返し伝えています。
できれば木曜だけでなく、週にあと1~2回やればさらに効果は高まると思います。
6年生グループでは、ドリルに加えてスタート時の腕振りについて話をしました。
まずは立ち幅跳びをみんなでやってみます。
このとき、大きく前に跳べるのは、腕を①前から後ろに振った時か、②後ろから前に振った時か、どちらでしょうか。
実際に試すとわかりますが、②がより前に跳べますね。
立ち幅跳びは、ゼロスピードから前へジャンプしますので、スタートダッシュの動きに応用できます。
でもそうであるならば、いつも言っている「ダイコン切り」の腕振りと矛盾します。
ダイコン切り→前から後ろに腕を速く振る
スタートダッシュ→後ろから前に腕を速く振る
なぜ、ダイコン切りと立ち幅跳びの腕振りは、振る向きが異なるのでしょうか。
実は陸上部のレベルでもあまり意識されない事ですが、加速時とトップスピード時では腕振りの役割が異なるのです。
これを理解するために、まず腕振りの役割について考えます。
腕振りは、足の動きと反対の動きをすることで、体全体のバランスをとるという目的があります。
つまり、足の動き・目的が変われば、腕振りの動き・目的も変わってくるという事です。
スタートから加速区間の足の動きは、地面をしっかりと押す事が目的です。
このため、腕は足の動きと反対に後ろから前に「力強く」振る、ということになります。
一方で、トップスピード時には接地時間をできる限り短くすることが大切ですので、後ろ足を前に速く切り返すことに重点がおかれます。そのため、腕は前から後ろに「速く振る」ことが大切となります。
言うは易し、行うは難しで、なかなかすぐには意識を切り替えられないかもしれません。
でも、この二つの腕振りを知っているだけで、また一段と走ることの深みを感じられるのではないかと思います。
多くのスポーツでは、加速区間が殆どと考えると、案外腕振りの意識は後ろから前とすべき場面が多いのかもしれませんね。