お金の問題をデータにしてわかること
お金の問題はExcelに金額を打ち込み、眺めることにしている。頭の中でもやもやとしている問題は、いつまでたっても解決できない。金融危機の時に失業して収入が途絶えた問題は、Excelデータにしてながめることから始めた。「なぜ失業したのだろうか?」「あのときこの会社を選ばなければ」「家族に迷惑かけて申し訳ない」などと考えている場合ではなかった。考えるのがつらい問題を心理的に自分と切り離して直視するには、客観的なデータにすることだ。データには人格がない、自分ではない厳然たる事実がデータである。悩んでいる時には、問題の原因が過去の自分の行動にあるととらえている。データにすると、そのような心の状態から離れることができる。過去でなく未来の解決に目を向けられるようになる。
Excelに入力した金額とグラフがあらわしている問題は、必ず解決できる。お金を分類する習慣 に書いた4つの分類。(1)生活のための資金。(2)使用予定資金。(3)緊急資金。(4)余裕資金。問題が4つのうちのどの領域なのかとらえる。それぞれについて、解決策がある。(1)については、収入>支出となるような生活を毎月する。(2)はいつ、いくらのお金が必要かを明らかにして、貯金や節約をして準備する。(3)は3か月から1年ぶんの生活費を貯める。(4)長期的に積み立て、分散投資にする。これが、お金を分類する習慣だ。分類する前は、(1)だけを意識していた。(2)は時々確認。(3)(4)は考えていなかった、というより避けていた。とくに投資については過去の失敗経験から、関りを避けていた。すぐにはできなかったが、意識して生活していると習慣となりできるようになった。
子供の教育にお金はいくらあればよいのか?賃貸住宅に住み続けるか家を買うべきか?将来のためにいくら貯金が必要か?これらの悩みの解消に、問題をExcelを使ってデータ化することが役立つ。
例えば、「教育資金はいくらあればいいか?」という問題を。「子供が大学生になるまでに、貯金すべき額を決める」という、やるべきことがデータを眺めて、簡単にわかるようにExcelを作る。使う予定が決まっている教育資金は、分類(2)である。将来のいつ、いくら必要かがデータであきらかになり、貯金や節約をして貯めることができる。教育ローンを利用して、不足分を借りる場合は、借りられる額を調べる時にも利用できる。このように、データ化することで「教育資金はいくらあればいいか?」を解決策してゆく道筋を明らかにすることができる。
表にすると毎月の積立額、金利によって数年後にいくら貯金できるかがわかる。
60ヵ月後に100万円を貯める目標とする。金利1%、月に2万円つみたてると50ヵ月で目標額になる。月1万円の場合は、60ヵ月後に38万円足りないので23ヵ月目から2万円を積み立てればよいことがわかる。積み立て額を増やすために、節約をするという対策を22か月目までにすればよい。
このように、数字で具体的に必要なことがわかると、毎月のやるべきことがわかり行動できる。気持ちにゆとりができるので、生活が充実する。