【物書き部企画】 好きなことの地図帳・3期生テツさん
物書き部 〜第二章〜 Presents
田村淳の大人の小学校・すばらしき児童たちのインタビュー記事
田村淳の大人の小学校・すばらしき児童たちとは?
凄い人、はたくさんいる。
たむ小内でもしかりだ。
皆さんの投稿を拝見するたびに、僕は世界の広さと自分の小ささを思い知る。
自問する中で、僕は凄い人になりたいよりもまず、
格好良い大人になりたいと思った。(もうすでにいい大人(笑))
今回、テツさんには自分の憧れる大人像と重なる部分があったのでインタビューを依頼した。だって、日中はテレワークをして晩酌に日本酒と自分で捌いた魚を嗜むって渋すぎない? しかもプロフィールの最後好きなこと『花を飾る』だよ。
33歳の僕が38歳のテツさんに大人としての格好良さを学ぶ。
そんな回にしたいと思いました。
せっかくなので、お酒を飲みながらゆるりゆるりと。
──持参した日本酒はこちら
◎テツさん 楽器正宗 福島県
◎森下千尋 茜さす 長野県
──プロフィールを拝見して、今回テツさんの好きな『日本酒』と『神社』についてお話を伺えたらと思います。興味のきっかけからぜひ教えてください。
「28,29の時にオーストラリアに留学していたんですね。その時に外から見て、日本文化が素晴らしいってことに気付きました」
「向こうの食事っていわゆる大味で、日本食が恋しくなったんですよね。それで帰国後からごはんの楽しみ方が変わったというか、嗜むようになりました」
海外へ行ったことは、日本食の奥深さに興味を持つきっかけだったと彼は言う。
翌2011年、帰国後のテツさんに印象的な出来事が起こる。
東日本大震災があり、彼は現地にボランティアで訪れた。ひたすらにヘドロをかき分ける作業をしていると、ヘドロの中に封の開いていない日本酒の瓶を見つけた。
宮城県石巻市のすみのえ(墨廼江)という日本酒だった。
仲間と開けて飲んでみたそのお酒をテツさんは未だに覚えている。
「美味しかったんですよね。お酒は前から好きだったんですけど。そうですね、あの一杯から日本酒をもっと知りたいと思いました」
──物事の楽しみ方って色々あると思うんですけど、テツさんの場合は知識を深めて楽しんでいっていますよね。
「ただ美味しいでももちろんいいんですけど、味一つでもチーズみたいとかチョコみたい、フルーティなど色んな表現があるんですね。知識を得て味をちゃんと噛みしめていると、ああ、これこないだ飲んだアレに似ているなとかどんどん楽しくなってくるんです」
毎日の食事、五万とある店から美味しい料理をピックするのは簡単だ。
しかし目の前の食事を『おいしく食べる』ことに中々重点は置かれていないのかもしれない。
「今年は酒ディプロマか利き酒師を取得して、自分の知識で人が少しでも楽しんで頂けるようにしたいです。たむ小ではビールのプロジェクトなど参加したいですね、色んな情報や刺激を求めてここに来たので」
ぜひ実際にお酒を酌み交わす時を楽しみにしております。
──テツさん。僕はここまで書いて気付きました。尺が足りない。神社の話まで書くと長文になりすぎてしまうので割愛しますッッ……。
ただ、ここまで話を聞いてきて
どうやらテツさんは
好きなこと→知識を深める→楽しい→より好きになる→また学ぶ。
を繰り返していることが分かった。
神社に対しても、テツさんの学びのサイクルは一緒だ。
参拝する→古事記を読む→参拝する→神社検定を取得する→参拝する。
間に『勉強』が入っている。(ご本人は所謂『勉強』とは思っていないのかもしれない)
──元々勉強が好きだったんですか?
試験勉強とかはつまらなかったですね。好きなことだから勉強も楽しめています。
──その『好きなこと』を見つけるのって、わからないですけど見つけられない方もめちゃめちゃいると思うんですよね。テツさんはどうやって見つけましたか?
「好きなことは学生の頃にだいたい決まってましたね。ピュアな心が興味に向かわせるというか。仕事をしているとどうしても頭が仕事で埋まっていくじゃないですか」
──確かに。余白がないと自分の好きなことって意識が行かないかもしれませんね。
「今は当時思い描いていた好きなことを着実に実行していっている感じですね。もうすぐ四十なんですけど(笑)ただあの頃と違うのは、前は『自分が』好きなことをして幸せ、だったんですけど。今はみんなの為にって気持ちが芽生えてきた。大人になってきたんですね(笑)」
「話は逸れるかもしれないですけど、年末時間があったので船舶免許を取ったんですね。船で釣りをして、それを自分で捌けたら格好良いなってそれこそ昔から思っていて」
──えっ!すごい。テツさん釣りは結構されるんですか?
「いいえ、全然。釣りの技術は後付けでいいかなって」
──普通、釣りして魚を捌いてみて、船も手にしてみたいなの順番ですよね?(笑)
「ええ、普通はそうなんでしょうね(笑)」
テツさんの興味の幅は広い。日本酒、神社に旅行、アウトドア、都市伝説、etc…
好きで興味のあるものが掛け合わさって、まるで情報の海を泳ぐロードマップが出来ていくようだ。
好きなものは方角を見失った時、強い。
自分の小ささを散々に思い知っても、好きなものはずっと君の隣にいて、
それは誰にも奪えないからだ。
あなたには好きなものがありますか?
「インタビューを受けた人」
3期生・テツ