こんにちは。
人の意思には偉大な力が潜んでいると信じています。

意思は人生を変えるかもしれない

目標を文字にすることを始めたのが20代後半、それから20年以上経ちました。この間、目標の内容や書き方、留意点は大きく変わりましたが、目標を書かなかった年は1年だけです。
目標を書き始めたのはあまりに思い通りにならない人生から抜け出したかったから。と今は思えますが、当時はあまり明確な理由はありませんでした。18歳に大学入学までは平均的な(と私の思う)人生であったのですが、20歳から22歳まで大学を休学して海外留学。23歳で大学4年生で復、学就職活動の後、24歳の時に外資系コンサルティングファームに入社。就職1年目で結婚し、翌年25歳の時に先輩に誘われて転職。ITバブルが崩壊していく中で27歳でLTS設立。同じ年に離婚して娘を連れて茨城の実家に戻って、在宅・出社・出張で仕事の取り組みました。
1つ1つ、自分の選択でもありましたが、これらは事前に思い描いたものではありませんし、況してや計画したものではありませんでした。海外留学することも、外資系に入社することも、転職することも、会社を設立することも、そして離婚することも、最後は自分で決めていますが、決断の数週間前までは想像もしたことがなかったことです。そのくらい、世の中を知らなかったですし、知ろうともしていなかったというのは正直なところで、だからこそ、一歩進むたびに新たな出会いがあって、選択肢が生まれてくる状況だったのです。
多くの素晴らしい先輩、上司、お客様に恵まれたのですが、共通していたのことはよく勉強していること。私が聞いたこともないような本の会話は日常で、ポーター、ドラッガー、ジム・コリンズあたりは慌てて読んだにもかかわらず感動しました。世の中をいかに知らないかがよくよくわかって恥ずかしい思いでいっぱいでした。
このようなこともあって読書量は増える傾向にあったのですが、離婚したあたりから読書の指向が変わりました。それまでは読まなかった「よりよい生き方」に焦点を当てた本を読むようになりました。ナポレオンヒルの「思考は現実化する」やスディーブンコビーの「7つの習慣」あたりが入り口で、デビッドアレンのGTDやジェームズ アレンの「原因と結果の法則」には大きく影響を受け、日本人だと神田昌典、田坂広志、石井裕之あたりも貪るように読みました。(敬称略)
これらに書いてあった、目標を作る、計画を考える、それを書き出す、できるまでやる、を自分でもやってみようと思い立ったことがきっかけでした。

意思が生み出す流れにのって生きてみる

実際にやってみると、益々思い通りにならいことがよくよくわかるのですが、それでもとてもよい経験となり、深い学びの機会になりました。

計画通りにはいかないけど、計画通りがよいとも限らない

作った目標やそのための計画を文字にすると振り返りが簡単・シンプルです。それにしても実際にやってみて実感できたことなのですが、計画通りに達成できることは多くはありません。特に未知のもの、経験の浅いもものはまず計画通りに進んでいきません。達成するにしても計画とは違う形で達成できることもあります。
中長期的な目標は短期の目標に落とし込みます。例えば、5年後に売上を倍増したければ、今年は昨年の15%成長を目指すという目標を設定し、そのために、昨年人気だったA商品に注力しよう、昨年A商品をたくさん買ってくれたα社に集中的に営業しよう、という計画を作ったとします。実際に始めてみると、途中までは順調だったのが数か月後に、突然α社の経営環境が変化して予算が減る一方、一昨年まで取引していたβ社からγ社に転職した方から引き合いを頂き、B商品を大量に受注できました。しかしながらえC商品は新しい商品だったためにトラブルも多く納品が遅れて、結果としては目標が達成できませんでした。
目標を達成できなかったことは明白です。この理由を振り返れば、A社の経営環境を見ておくべきだった、B社、C社にも期首から会いに行くべきだった、B商品の品質向上にもう少し早く着手すべきだった、というように多くの学びを得られます。また、足元の状況を見てみると、A商品を少し買ってくれるα社とB商品をたくさん買ってくれるγ社、安定のA商品と品質が上向いたB商品があります。
計画通りに進んで目標が達成できた場合は少ない1つのお客様に1つの商品しかありませんが、足元の状況は目標は未達だけれども、複数のお客様、複数の商品があります。
この場合は、計画がよくなかったことへの反省と同時に、自分の現在地の分析・理解も同じように重要だと感じています。目標と計画に取り組むことによって、目標・計画の内容とは異なるものの、昨年よりも素晴らしい現在地に連れてきてもらうことができました。先の見通しにくい時代に生きる私たちにとって、次の展望を持つときに自分の現在地をポジティブにとらえることは大切な資質だと感じています。
※本節とは異なる話として設定した目標は絶対に達成すべきと考えています。詳細は別の機会でお話ししたいと思います。

目標をどう感じているかわかるかもしれない

「価値ある目標を達成したい」というのは私たち全員に共通する想いです。しかしながら、価値あるものとはどういうことことは、価値あるというのは何なのか、ということを理解することは簡単ではありません。「何か大切か」と自分に問うて自分の心に分け入る、ということは全員が体験したわけではないかもしれません。もし体験したことがなければ是非やってみてください。私個人で言えば、大学生になるまで、両親から褒められる、大人から認められるということはとても大きな価値でした。20代を迎えて人の期待値を自分の価値の尺度とすることにどうしても飽き足らなくなり、日常とは異なる経験をしたい、特別と思える人生送りたいと思うようになりました。30代は20代の価値と同様の価値を感じながらも自由にできる時間や経済状態も大切にするようになりました。40歳代になっては継続すること、少しでも発展を持続することも大切なものとなり、また、1日1日を過ごしていけることのありがたさ、家族がいることのありがたさも実感できるようになりました。
目標はこうした価値に資するべきで、そういう人生を過ごすことが幸せにつながるものと考えているのですが、自分にとっての価値であっても目標達成前に感じていたことと、達成後に感じることが変化している可能性があります。結局、目標を達成するまで目標の価値を本当に知るのは、目標を達成した後にそれを味わおうと思った時でした。
更に、集団、組織で見た場合、価値を集合的に定め、価値をなるべく一致させることで、活きた目標が生まれ、その達成への推進力が生まれます。個人ですら定めることが難しい価値を集団で一致させることは厳密には難しく、また、個人の視点で見ると時間が過ぎる中で一致している状態が変化する可能性にもつながります。

意思が招いた結果を超えて

目標が価値に資することが目標達成への引力だとすると、目標達成を遠ざける斥力の存在も確信しています。それは心の中にある抵抗です。目標を掲げて達成するということは、多かれ少なかれ、現在地とは異なる環境に身を置くことになります。そういう変化に対して心に抵抗が生じます。強い抵抗なら自覚しやすいですが、ささやかに感じられるものや感じることができないくらいの小さなものは自覚することすら大変です。例えば、ある目標を達成し状態やその過程を想像した場合、目立つのは嫌だなというのは割と自覚しやすいですが、早起きが嫌だな、週末の時間がなくなるのは嫌だな、友人と過ごす時間がなくなるのは嫌だな、家族と一緒にいる時に仕事のことを考えるのは嫌だな、という抵抗は事前にはわからないかもしれません。
目標を定めて、達成に向かうということは、引力につながらる価値と斥力につながらる抵抗を自覚する過程であって、その過程において自分の価値と抵抗を知って、どうするか決めることが幸せな時間、ということが現時点での結論です。
価値にフォーカスをあてて、より大きな存在になるように育てることができます。抵抗は1つ1つ丁寧に見ることで自分に本当に必要なのかどうかを決めることができます。「早起きよりも目標のほうが大切」と決めて、実際に早起きして目標を達成し、そんな自分の満足度を知ることで早起きの抵抗が薄まるかもしれませんし、一定の睡眠時間を確保することで目標に向かう活動の質を高める、睡眠・休養の価値に気づくかもしれません。
そういう価値や抵抗が生まれる源泉が何か、こんなことを考えることを楽しんでいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?