【MEMO.7】しんようをえる
前職の時、人材派遣の営業をしていたぼくは、先輩からこう教わったことがある。
人の言葉を信用してはいけない、人の行動だけを信じろ、と。
転職したいと言っているのに、履歴書や職務経歴書を用意しない。
どんな仕事でも受けるというのに、ものすごく限定された仕事にしか応募しない。
すぐにでもこの会社で働きたいと言っていたのに、別の企業に就職する。
人の言葉を信用して振りまわされていては、こちらが消耗するだけだ。
だから、仕事をするときは、相手の言葉を本気にしてはいけない。
その人が行動に移したのを見て、はじめてこちらもアクションを起こせ、と言われた。
この言葉を聞いた時、なんて薄情な言葉だろうと思った。
人は相手を信じるからこそ会話が生まれる。コミュニケーションの基本は
相手への信用なのに、それを真っ向からある種否定するように感じられた。
ただ、今は違う。つらいことだけど、人からの信用は
決して、自分の言葉で得られるものではないのだ。
自分の行動で勝ち取らないといけないのものなのだ。
試合で全く結果を出さない3割バッターなんていない。
まったくゴールを決められないエースストライカーなんていない。
みんな、自分の行動で信用を勝ち取ってきたからこそ、その地位についているのだ。その地位にいることを認めてもらっているのだ。
ぼくの好きなマンガである『NARUTO』のなかにこんなセリフがある。
「火影になったものがみんなに認められるのではない。
みんなに認められたものが火影になるのだ」
火影とは、いわゆる里長(リーダー)のことである。
この言葉はぼくらの生活のなかにも転用できる考え方だ。
リーダーになったのは、リーダーになれるとみんなに認めてもらえて
初めてなれるのだ。つまり、それだけの行動を起こしてきた証拠でもある。
信用を得るというのは、カンタンなことじゃない。
ものすごく時間がかかることだ。
ときどき、いつになったら信じてもらえるんだろうという
不安を感じながら、それでもあきらめずに
今できることを一つ一つ重ねてきたものだけが得られる
特別なおくりものこそ、信用の正体ではないだろうか。
つらくなっても、歯を食いしばって今を生きよう。
ぼくは信用されてない、という現実をかみしめて、
どうすれば信じてもらえるようになるか、
今できる最大限の努力を積み重ねていこう。
その向こうに、きっと明るい未来が待っているはずだから。
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