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#ハッシュタグの正体-「商人としての編集者」イベントを聞いて考えたこと-


はじめまして!コルクラボ1期生の岡田です。

みんなからはオカピと呼ばれています。

どうぞよろしくお願いします。


今回は、コルクラボではなく、

先日学んだ、ハッシュタグについてのことを

書きたいと思います。


7/6(金)の19時、市ヶ谷にて

ぼくは以下のイベントに参加しました。



これは、「うつヌケ」の単行本編集担当である菊地さんが、

ブクログの大矢さんを招いて、

SNSを用いたもので、本が売れた実例を

まとめて発表するというセミナーでした。


聞いた事例はどれも大変面白く、

勉強になることばかりで、

「本って、こういう感じで

SNSを使うと売れるんだな」という

発見がいっぱいあった2時間でした。


休憩なしの講義ですが、

時間が経つのがあっという間に

感じられるくらいワクワクする

内容だったと感じています。


今回は、そのお話のなかで聞いての感想と、

話を聞いた時に感じたことをお伝えしようと思います。



1.『スコーレNo.4』と『古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』の違い




今回のお話をする前に、

セミナーで実際に発表された内容の一部を

書きたいと思います。


サブタイトルにあげた二つの本は、

どちらもSNSの効果によって知名度をあげた作品です。


図鑑のほうはまだ発売していませんが、

ツイッター上でとあるユーザーが

つぶやいたものが爆発的に拡散され、話題になりました。


Amazonランキングでも、

7/8現在で2位になっているようです。



※とあるユーザーにつぶやき。7/8時点で上のようなリツイート・いいね数になっている。



※2018/7/8のAmazon売れ筋ランキング。発売前にもかかわらず2位。



一方、『スコーレNo.4』は、はじめは

一部の書店員さんで結束して、

ツイッター上で秘密結社的な動きをしつつ、

おすすめの本を売っていこうという

活動の下、一躍売れた作品になります。



その活動は書店員だけでなく、

版元の光文社や著者の宮下奈都さんをも

巻き込んで大きくなっていきました。


全国の書店員さんたちが連携して、

スコーレNo.4』のための場所をつくり、

常に一定数仕入れるような状態を築き上げ、

ネットとリアル書店での活動を展開していき、

結果、大ヒットを起こしたのです。


その過程は以下のところに

まとめられています。





この二つは、それぞれバズるまでの

過程が全く違い、自分が長い間持っていた

とある疑問について、

ひとつの仮説を立てられるようになる

きっかけを与えてくれました。


それが今回のタイトルに書いた、

ハッシュタグ」についての仮説でした。



2.ハッシュタグとは何なのか?


今回あげた二つの事例のうち、

自分が感じたとは、

ハッシュタグの使われ方の違いでした。


端的に言うと、

『スコーレNo.4』では

ハッシュタグが使用され、

図鑑のほうでは使用されなかった、

という点です。


この違いはなぜ起こったのか、

バズにどういう影響を及ぼしているのか、

ぼくは登壇者のお二人にも聞いてみました。


結論からいうと、

ハッシュタグを使うことが

有効になることもあるが、

決して必要なものではない」ということでした。


では、その「ハッシュタグ」が

必要なものとは何なのか、

登壇者のかたによれば、

ジャニーズやAKBなどのアイドルファンの、

互いの情報収集やコミュニケーション」ということでした。


この話を聞いて、ぼくは考えました。


AKBやジャニーズ好きの

コミュニケーションや情報収集には

有効であるならば、

なぜそれ以外のもので

ハッシュタグを使っても

あまり効果を発揮しているように

感じないのだろう?



この疑問に達した時、

ぼくのなかに一つの仮説が生まれました。



もしかして、ハッシュタグって、

まず最初にゆるやかなコミュニティがないと

機能しないのではないか、ということです。



これは実際に登壇者の方も

仰っていたことですが、


ハッシュタグはお互いが

「仲間」であるということを

認識するためのものである、ということです。


つまり、「仲間」ということを認識しあうための

状況なり環境が整えられていることが、

ハッシュタグを有効に使うために必要なのです。


だから、なにもコミュニティができていない状況で、

ハッシュタグだけ用意しても意味がなく、

言うなれば、それは社員ゼロの会社が用意した

社員証みたいなものなのです。


社員証しかり、ファンクラブの会員証もそうですが、

まずそこにメンバーがいて、それを仲間であると

認証するためにそれがあるということなのです。


スコーレNo.4』のときもそうですが、

書店員の方々は、最初は全く

ハッシュタグを使っていません。

お互いのツイートにリプライする形で

やり取りしていました。


ハッシュタグを使い始めたのは、

活動メンバーがある程度固まり、

いざこれから仕掛けるぞ!という

タイミングになってからです。


つまり、この書店員の方々で

最小のコミュニティを作っておいたうえで、

ハッシュタグを使ったのです。


そうすると、このハッシュタグを

使っているメンバーは

いわゆる「同志」という認識を

お互いにすることができて、

そのやり取りをはたから見て

楽しげに感じた他のメンバーも

「俺も仲間にいれてくれ」といった形で

巻き込まれにいき、

結果、拡大していったのです。


もしこれが順序が逆だったら、

うまくいかなかったのではないかと思います。

これは、コルクラボのなかでも言われている、

「熱狂」している者同士の合言葉として、

うまく機能した結果でしょう。



では、図鑑の方はどうなのか。


実は図鑑がバズった理由は、

バズらせた人が、

とあるコミュニティに

近しいところにいたからです。


それはどこかというと、



ずばり、8月、12月の

ビッグサイトにいる人たちです!



・・・すみません、

分かりずらかったですかね(笑)

もっとかみ砕いて言いましょう。



つまり、「同人誌などを

書いてる創作クラスタ」の人たちです。



この人たちはつねに

ゆるいつながりを持っていて、

お互いのツイッターなどを

フォローしあっていることが多いです。


そして、自身の創作に

役立ちそうなことがあれば、

たちまちリツイートしあって

拡散するのです。


事実、これによって

本来なら売れそうにない

デザインの本などが

爆発的に売れたことがあり、

なかなか油断ならない存在です。


そして、この人たちは

ゆるくつながっているし、

なんならお互いの顔なんかも

よく知っている可能性があるので、

わざわざハッシュタグを使って

「仲間」であることを

示す必要がないのです。


だからこそ、

ハッシュタグを使わずとも

それぞれが「いいね!」と

思ったものがいいねされ、

拡散されていくのです。


「創作クラスタ」という

ゆるいコミュニティのなかにいて、

そのなかで有益な情報が

メンバーによってシェアされた結果、

図鑑はバズったのです。


つまり、ここにもやはり、

まず最初に「コミュニティ」が

存在していたのです。



3.まとめ



ハッシュタグは、

あるコミュニティに属するメンバーが

お互いを仲間、あるいは

共通の利害関係者であることを

示すために必要なものであると考えます。


ぼくは実際、今年の5月に

徳島の「マチ★アソビ」に行って

ハッシュタグの重要性を感じました。


マチ★アソビは運営がとてもゆるく、

イベントの整理券やイベントの開催時刻が

整理されていないことがあります。


あまりにもアバウトなため、

そこに来た人はツイッターで

お互い情報交換しつつ、

整理券がどこで何時に配布されるのか、

イベントの開催時刻に

変更がないかなどを

チェックしあうのです。


その情報交換の際にも、

やはりハッシュタグは使われていて、

参加者はみんなのツイートを検索しつつ、

イベントを楽しむのです。


よく企業などが、商品の発売に伴う

ハッシュタグの開設などを行ってますが、

よほど人気コンテンツでもない限り、

おそらくその戦略は成功しないでしょう。


企業がまずやることは、

そのコンテンツを

好きになってくれそうな人たちを

かき集めて、

小さくでもいいから

コミュニティを形成し、

そしてお祭り騒ぎするかのように

呟いてもらう、ということです。


そのお祭りが楽しそうであればあるほど、

自分も仲間に入りたいと思う人が増え、

次第に大きくなっていくのです。


やっぱり仲間になるのなら、

うつうつしててやる気のない

だらだら集団よりも、

元気ハツラツとしていて、

すべてが楽しそうな

いきいき集団のほうが

よさそうじゃありませんか?


このいきいき集団をいかにしてプロデュースするのか、

各企業のプロモーション担当の人は

よく考えていきたいですね。



長くなりましたが、

ぼくの投稿はこれで終わります。

コルクラボはあまり関係ありませんでしたが、

こんなことをコルクラボでも

勉強していたりします。


もし興味がある方は、ぜひ一度

訪ねてみてはいかがでしょうか。


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