わたしの語学学習歴

最近オランダ語の語学学校に通い始めたのだが、そういえばこれまで色んな言語を学んできたものの改めて顧みたこともなかったので、一度総括的に書き残しておこうかと思う。

日本語(母語)

言わずもがな、母語である日本語は幼少期から学習し、学校で読み書きも習って今に至るという感じである。関西で育ったので方言は大阪弁と京都弁の間という感じで特に珍しいことは何もないはずだが、この方言が日本を離れた今でもいまだに全然抜けず、こちらで日本の人に会うとすぐに関西出身とバレる程度には訛っている。

英語(C1〜C2の間ぐらい)

中学生の時から必須の英語は基礎を高校生までに習い、大学では論文を読んだりすることもあったが、あまり喋ったり書いたりすることはなかった。少し働いたのちにイギリスの大学に留学することになったのだが、この時に必要な語学試験の結果はWritingが一番悪く、その次にSpeakingが悪いという感じだったと思う。この時に気づいたのは、日本の学校で習う英語というのは英語の文法、そして英訳もしくは和訳がほとんどであり、日本語⇔英語の翻訳に重きが置かれていて、英語で自分の意見をまとめるエッセイや論文を書くというような訓練は受けていなかったことに気づく。語学試験の結果が大学院入学のレベルになかなか達せず危うく渡英できないところだったが、なんとかギリギリでC1を取れた。その後大学院に行き博士号まで取ったので、おそらく今はそれ以上の語学力があるだろうということでC1〜C2ぐらいの能力だと思う。

(※C1とかC2というのはヨーロッパ言語共通参照枠という外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドラインのこと)

イタリア語(A2ぐらい、もう忘れた)

大学の時に英語以外にもう一つ第二外国語が必須単位だったのでイタリア語を二年勉強した。この時は文法は日本人の先生から習い、会話の授業はイタリア人の先生から習った。イタリア人の先生が全然日本語が喋れなかったので、イタリア人の先生の言っていることを理解するにはイタリア語を聞き取らないとダメという状況にあり、片手間に二年しかやってない割には割と上達したように思う。学部在学中にイタリアに旅行して、現地の人と多少簡単な会話ぐらいはできた。今は全く使わないので簡単な挨拶と数字ぐらいしか覚えていない。

ポーランド語(A1以下、すぐ挫折)

学部の時に趣味で手を出したポーランド語。本当はチェコ語がやりたかったのだが大学にチェコ語のクラスがなかったので、少し違うけど近いということで選んだ。当時東欧(特にチェコ)が好きだったので、旅行に行って話して見たいという動機があったが、ポーランド語は格の変化が多すぎて六ヶ月ぐらいやって自然と授業に行かなくなった。今のところ挑戦した言語の中で一番難しかった気がする。

ハンガリー語(A2ぐらい、ほぼ忘れた)

大学院のときブダペストに三年ぐらい住んでいたので、途中からハンガリー語を学び始めた。チェコに次いでハンガリーも好きな国だった上に住んでいたので日常で使えるということもあり、モチベーションは高かった。ハンガリー語は世界でもかなり難しい言語として有名だが、私にとっては相性が良く(というか単純にハンガリーが好きすぎただけかもしれないが)、研究の合間にぼちぼち続けてA2ぐらいまでは習得したと思う。今は使わないので挨拶ぐらいしか覚えていない。

ドイツ語(A2以下、ほぼ忘れた)

元々ハンガリーで大学院に行っていたのだが、大学院が隣国のオーストリアに国外追放させられたので、日常生活でドイツ語が必要になり、当時コロナ禍だったこともあって暇だったので、大学ではなく語学学校のやっている集中コースを受けた。A1まで終わった後はその後大学のコースでA2まで取ったのだが、途中で確か日本に一時帰国したりして忙しかったので、資料は持っているがまともに復習もしなかったと思う。ポーランド語ほどではないがドイツ語も格変化がある上、名詞の性が男性・女性・中性と三種類あってこれも無理そう思った記憶がある。他の使わなくなった言語同様、挨拶と数字ぐらいしか覚えていない。

オランダ語(A2に向けて勉強中)

こう言った学習遍歴で今はオランダ語をやっているのだが、英語以外に色んな外国語に触れた経験によって、新しい言語を習得することに対する精神的な負荷が低く、また様々な文法を見てきたので、変なルールが出てきてもいちいち困惑してそこでつまづくということは少なくなってきたと思う。特にオランダ語の場合はドイツ語と似ているので、ドイツ語に比べたらとても簡易化された文法になっているのと、英語とも似ているので英語が使えると割と言語が頭に入ってきやすい感覚はある。

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今まともに使える言語は日本語と英語と少しのオランダ語だけで、それ以外に習った言語は一切使えないのだがそれでもやったことは無駄になっていないはず?と新しい言語に挑戦するたび思う(思うことにしている)。やはり言語はよっぽどのモチベーションがない限りは必要によって上達すると思っていて、英語がそれなりに使えるようになったのは大学院に行き、英語で議論したり学会で発表したり論文を書かなければならなかった状況にあったからであると思う。今学習しているオランダ語は三年以内に最低B1レベルの試験に合格しないと罰金が課されるという滞在許可の元暮らしているので、おそらくそのレベルまでは達するのだろう(達してほしい)と思っている。ただそれ以上上手くなるかどうかは、今後どの程度オランダ語を使った仕事などでコミュニケーションするかによるのだろう。

こう振り返ってみると日本語以外はヨーロッパの言語だけで(ハンガリー語は若干違うらしいが)、いつか時間と気力があればアジアやアフリカの言語もなってみたいなと思いつつ、自分の人生でそのいつかは来ないような気もする。語学学習は骨の折れる作業である。