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海外で暮らしてみたいという夢は

2003年の1月にバリ島を訪れて
そのまま気づけばここで暮らして15年。

どこか
海外で暮らしてみたいとは思っていたものの

バリ島で暮らすことになったきっかけって
思い巡らせてみると、ある場所との出会い。

「あの場所によばれた」

と思えてしまう場所。


交通量の多い通りに面しているのにもかかわらず

そこだけ異空間
ほんとうにそんな感じのするところ。

そこは、旦那が子供の頃からお世話になっていた、王族の家系の方が持っている場所。


その場所は、別荘のような感じで建物はあるものの
ずっと誰にも使われることなく
わたしがはじめて訪れた時にはジャングルのような状態。

旦那はこの場所が好きでよくここで過ごしていたとか。


なんだかほんとうに落ち着くいい場所なのに
誰も世話をしていないのがもったいない気がして

「ここに住みたい」

ふとそんな思いが。


でも、その持ち主は
この場所を誰かに貸す気はないということで断られたものの

旦那が
それなら自分がここを管理するのはどうか?
ということで、まずそこに住みはじめ

そして、そのうちわたしもそこに移り住み


そんなわけで
まんまと

「ここに住みたい」

という願いが叶う。

 

広い庭のあるその場所は木も草も伸び放題。
ジャングルのようなところを
草を刈って、木を剪定して、建物の中を掃除して
それだけで1日が終わる。

毎日汗だくで草刈りをしたり花の手入れをしたりの日々。


不思議なことに
朝起きてから寝るまでずっとそこにいるだけで飽きない。

唯一外に出るのは
斜め向かいにあったお店で飲みものを買ったりするだけ
せっかくバリ島で暮らしているのに(笑)


そんな中
毎日通うようになったそのお店で
そこの奥さんが、なんどもなんども

「あそこで寝るの怖くない?」

と聞いてくる。

敷地の境界は、竹の柵があるだけで
塀で囲まれたようなところではなかったから
日本人的感覚で防犯上のことを言ってるんだと思って

「そうですね、ちょっと気にはなるけど。」

とかなんとか答えていたんだけど


でも、あまりにもなんども聞かれるので
ある日「それってどういうこと?」と聞いてみたら

なんというかそこは
もともと人が住むような場所ではなくて
昔から霊の集まる場所と言われていたそうで
ふつうバリの人は怖がるところよ、と。。。

そんなところに勝手に住むことにしてよかったんだろうか?

こんな時バリでは
あちらの世界と通じている人に聞きに行く。


その人の話によると
そこはちょうど
こちらの世界とあちらの世界をつなぐ場所。

入り口というか出口というか
門のような場所だと言う。


人が住む場所ではなかったので
今までに、そこに住まわせてもらいますよというお断りをしたことがないようだから
一からちゃんとそのためのお供えをして、祠も建てなさい、とのこと。

日本でも地鎮祭というのがあるように
バリ島でももちろんそのための儀式はある。

すでに建物が建っているのに
その前にちゃんとした儀式は行われていなかったかもしれないとのことで

そのせいで
その場所がここでもなくあちらでもない宙ぶらりんな場所になっていたらしい。


その場所の持ち主でもないけど
自分たちで儀式をして祠も建てて
それから2年ほど住んでいただろうか

相変わらず
「怖くない?」と聞かれ続け(笑)

実際に不思議なことはいろいろとあったけれど

わたしにとっては
ほんとに静かで落ち着くところでしかなく

 

残念ながら
ずっと住み続けることはできず
その後、別のところへ引っ越したけど

今でも時々通り過ぎるたびに
びっくりするぐらいやっぱり異空間で(笑)

 

あれから15年。

「あの場所によばれた」

かどうかはわからない。

でも
あの場所だったから
住んでみたいと思って今がある。

いろんな国を訪れるはずだった旅の予定は
果たされることなくバリ島で終わる(笑)

そして

バリ島の摩訶不思議な諸々を
ただ、ある
とすることができるようになった場所でもある。

そして

その後2回引っ越した現在もまた
1年365日の99%ぐらいを
ずっと家で過ごしているという。

せっかくバリ島で暮らしているのに(笑)

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