離れてわかることもある
今日午前中は健康診断だった。
朝一番に、指定された施設(Bクリニック)に直行する。
今年度から新しい施設になった。
ターミナル駅にも近く
「便利になって、良かった。建物も綺麗だし」と思っていた。
去年までの施設(A健康プラザ)は好きじゃなかったのだ。
ーーー
ところがBクリニックは、いちいち待たされる。
体重と身長と腹囲
採血
視力と眼底
胃のレントゲン
胸のレントゲン
心電図
聴力
婦人科関係
待合室の周りに、各検査室が並んでいる。
ひとつひとつの検査をするたびに待合室に戻る。
検査着を着て、スマホの画面を眺めている男女の集団。
待つことにあきて寝ている人も多かった。
しかも個人情報の関係なのか、個人名では呼ばれない。受付番号で呼ばれる。
各検査の担当者が
「15番のかたー」とか、
「128番さま、いませんかー」
と、混んだ待合室のなかで声を張り上げる様子は、ちょっとカオスだった。
ーーー
特に待ったのは採血だった。
採血をする看護師さんの1人に何かがあったらしい。
3人の採血スタッフが2人になってしまったので、当然渋滞が起きる。
待合室で30分以上待った。試験管2本の採血のためだけに。
待ちくたびれて寝てしまい、番号を呼ばれてもすぐに気が付かなかった。
スタッフの人が番号を叫びながら、私の前を通り過ぎていき、また戻ってきたときに気がついた。
ーーー
特に難しい検査はしなかったのに、終わったらお昼になっていた。
時間がないので、駅の中のカフェであわただしくご飯を食べた。
だるい気持ちを抱えたまま、会社に行って仕事をした。
わたし、えらい(当たり前だ)。
ーーー
去年まで受診していたA健康プラザは好きじゃなかった。
なぜなら、すごく早かったから。
人間ではなく、物として扱われているようなイメージがあった。
各検査室に、次々と案内される。待っても5分から10分程度。
それぞれの検査室の担当者が、健康診断の書類を見て
「あちらに先に行ってきてください」
「ここで座れば、次に呼ばれます」
など、指示される。
たとえは悪いが、まるでブロイラーのようだった。次々に処理されていくイメージ。
健康診断なのに、そんな感覚はおかしいんだけど、あまりにも早くて。
心電図。
手と足に大きな洗濯ばさみのような器具をつけたかと思うと、ほんの20秒ほどで終了してしまう。
心電図ってそんなに早くわかるものなのかしら?私の知識がないだけ?
婦人科のエコーの時に、技師さんに話を聞いたら(エコーとマンモの頻度について、1年おきがいいんでしょうかみたいな)満足な答えが返ってこなかった。
次に待っている人がいるので、時間を急いでいたのだ。
ああ、検診の時、話を聞いちゃいけないんだな。
医師の問診もあったけど、通りいっぺんの質問だけで、詳しく話す気にならなかった。早く問診を終わらせようと言う意図が透けて見えていた。
とにかく急いでいた。施設全体が急いでいた。
もし、名前をつけるなら
「検診屋さん」。
医療というより、商売のイメージだ。
いや、実際商売なんだろうけど。
ーーー
あの施設は好きじゃないなぁ。
そう思っていたのに。
やっぱり早く終わるのは良い。
検査を終わらせるだけが、第一目標だと感じたとしても。
A健診プラザは男女のフロアが分かれていた。
Bクリニックは男女が一緒だった。
検査着を着た状態では、男女が別れている方が気分がラク。
女性特有の感覚だろう。
ーーー
離れてみなくちゃわからないこともある。
前には見えなかった良いところが見えてきたり。
やっぱり悪いところはそのまま残ったり。
二面性があって、
良いところが悪いところだったり。
悪いところが良いところだったり。
だから物事は面白いのだろう。
ーーー
検診は、
早く終わるけれども、きちんと見てくれる感触もある施設がいいなあ。
ないものねだりかのワガママである。
(検診は体の異常を発見する機会と割り切る。自分のかかりつけ医を持って、そちらに相談する。
そんな私はかかりつけ医がない。探さなくちゃ。)