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愛がないとやってられない

なっちゃん(あつこの次女)が12月の初めに赤ちゃんを産んだ。それからほぼ1ヵ月間彼女は実家に滞在した。

まだ昼も夜もない新生児。
小さい。本当に小さい。
人間を始めて、数日しか経っていないのだもの。
顔をしかめたり、鼻を鳴らしたり。
まだ鼻の穴も気管も小さいものね。ぐうぅ、がぁあって音が出ちゃうよね。

おっぱいの香りがして。
思わず小さな頭に鼻を近づけて、匂いを確かめてしまう。赤ちゃんの香りを吸い込む。
頭蓋骨の中心がまだペコペコと柔らかい。
骨が閉じていない。ああ、これこそ新生児。

ーーー
「夜中の1時から全然寝ないの」
「オムツを替えても、寝ないから、ずっと夜中じゅう抱っこしていた」
「おっぱいの途中で寝ちゃうから、右胸だけ痛い」
「頭いたい」
「手が冷え冷え」
結果、引き起こされるのが慢性的な睡眠不足。
ふらふら、ヨロヨロ。
昼間もパジャマ姿にフリースを羽織って過ごしている。

なっちゃん、大晦日に目が真っ赤になってしまった。目やにも出る。結膜炎か?
もう医者は、やっていない。

免疫力が落ちているのだろう。
慌ててドラッグストアで目薬を買ってきたあつこ。
なかなかなっちゃんの目は良くならない。やっぱり医者の薬とは違うのか。
ーーー

なっちゃんは赤ちゃんを起こさないために、夜専用のライトを用意していた。
柔らかく光るアヒルさん。


表面が柔らかく、軽く握ることで電源がオンオフする

素材も柔らかだが、光も柔らかだ。
ぼーっとしたあかりの中、オムツを変えたり、おっぱいをあげたり、寝かせつけたりする。
この光だけで、足りないときには、iPhoneの後ろのライトを光らせていた。

愛がないとやってられない。


ーーー
毎日午後4時半は赤ちゃんのお風呂タイム。

はるちゃん(あつこの長女、なっちゃんの姉)が、お風呂に入れてくれた。
「今、赤ちゃんを抱っこすると、お腹に力がかかって、傷が治りにくくなるから」

そう言って、はるちゃんは毎日必ずやってきた。
ベビーバスにお湯を張り、上がり湯を用意する。温度を40度に整える。
「おかおふきますよー」

疲れ切って抱っこができないなっちゃんのために、赤ちゃんを抱っこしてゆるくダンスを踊った。
完全母乳ではあるが、疲れたときにはミルクを作って飲ませてくれた。
もちろん自分の家事もやっていた。
ーーー

赤ちゃんがおっぱいを飲んだ後の重要な仕事は、ゲップをさせることだ。
理科系夫がゲップ屋さんに任命された。
彼特有のやさしい動きで、縦抱っこをし、背中をトントン。
ときには10分以上に及んだ。

ぐわわわっ!
がぁ!

小さな体から、予想できないほどの大きな音のゲップが出る。
「えらいね」
「すごいねー」
周りにいる大人4人全員で、赤ちゃんの1回のゲップを喜ぶ。

男の人の肩は広くて、力も強いので安定感があるのだろう。ゲップ屋さんは毎日大繁盛だった。

そんなこんなで、年末年始は過ぎていった。
ーーー
1月4日、
なつおくんがなっちゃんをお迎えに来た。
みんなでお昼ご飯を食べた後、我が家の門の前で写真を撮った。

なっちゃんの車を見送った後、力が抜けて、立ち上がれないくらいだった。
もともとずぼらなのに、頑張ったのだ。

あああ、愛がないとやってられない。
歌謡曲みたいに心の中で繰り返す。

あつこも昔、はるちゃんやなっちゃんを産んだ時に実家に世話になった。
逆の立場になってみると、予想以上の大変さに体がギシギシいう。

(今は亡きお父さん、老人ホームにいるお母さん、その節はありがとうございました。
自分がお世話をする立場になって、どんなに大変なものだったか、実によくわかりました。お父さん、会いたいです。)

はるちゃんは、夕飯は外食にするそうだ。
はるちゃんもお疲れ様。ありがとう。
ーーー

そんなわけでノート始めが1月5日になってしまいました。今年もよろしくお付き合いください。
大好きなノートのお友達へ。


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あつこ (63) フワフワ文系妻 定年理科系夫 育て中
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