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年賀はがき100枚買うのは
珍しい。
らしいのだ。
理科系夫は年賀はがきを出す人である。
そこで近くの郵便局に出向いて
理科系夫「年賀はがき100枚ください」
窓口の女性がやや驚いた表情で、こう応じた。
女性職員「年賀はがきは10枚ごとのパックしか置いていないので、こちらが10束になりますが、よろしいですか?」
つまりは、こういうことである。
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年賀はがきと言えば、茶色い紙に包まれて100枚1束で売っていた感覚しかない理科系夫。
理科系夫「茶色い包み紙に包まれて、1束で売られていたのはないんですか」
女性職員「こちらの郵便局ではそのタイプは置いてないんです。置いてない郵便局が多いと思います」
理科系夫は仕方なく10枚セットを10個買った。
いちいち出すのが面倒だが仕方がない。
理科系夫「このように小分けパックになっているのは、たくさんの枚数を買う人が減ったのでしょうか?」
女性職員「そうですね。皆さん30枚とかが多いでしょうか」
年賀状の発行も年々減り続けている。
年賀状の発行枚数は04年分の約44億6000万枚をピークに減少が続いている。日本郵便は25年分の当初発行枚数を前年比26%少ない約10億7000万枚としている。
ーーー
理科系夫が買ってきた年賀はがきを眺める。
![](https://assets.st-note.com/img/1734729657-BNliPs5qH8nFh0YaM7Qv6rEk.jpg?width=1200)
10枚で850円、1枚85円である。
高くなったなぁ。しかし、昨今の人手不足、優秀な日本の郵便事務にはこのぐらいのお金を払って良いのだろう。
ーーー
昭和63年、理科系夫と結婚したばかりの頃、昭和の最後の年である。
彼は、年賀状300枚出していた。
しかも、それがプリントゴッコの印刷だったのである。
プリントゴッコがどのようなものか知らない方も多いだろう。
まるで、浮世絵のように、各部分を重ねて印刷していくのである。
例えば来年の干支だとしたら、
バックの色
ヘビの色
最後に輪郭と文字。
1度に2色、もしくは3色の色をつけることはできるが、隣り合わせることはできない。
まずはその版(感熱板)を作る。フラッシュを取り付けて(小さめの電球のような形をしていた)、 1回ピカリ!と光らせる。
版の数だけそれを作る。
理科系夫は3版ぐらい作っていた。
それから色をのせる。
1回色をのせたらインクが乾くまで休ませる。
半日から1日ぐらいだ。
そして、次の色をのせる→休ませる
最後の色をのせる→休ませる
理科系夫は浮世絵職人のよう。
乾かす間、部屋の中は300枚の年賀状で占有される。
人間がいるところがない。
そこでは、ハガキスタンドなる備品を買って、ハガキをまるで商品のように立てて乾かしていたのである。
あっちにも、こっちにもハガキが立てられて、まるで作業部屋のような2DKだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1734731693-PROdHmwkTN8pKC5Xi7nBSg24.jpg?width=1200)
右側にあるのが葉書スタンド
左側の機械で、1枚ずつ印刷(浮世絵方式)
宛先は手書き。300枚。
本当にやっていたのだ。ほんとうに。
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時代は平成となり、理科系夫もパソコンで年賀状を作るようになった。
とはいえ、素材を組み合わせて、自分で絵柄を作り上げる。
文章もちゃんと考える。
思わずクスッとしたり、元気でやっている様子が伝わったり。
浮世絵職人ではなくなったが、年賀状はなかなかのものがあった。
そして、令和6年。
会社を辞めて枚数が減った。
今は80枚である。余裕を見て100枚購入した。
それでも多い方なのだろう。
理科系夫「年に1度の知り合いや友人の近況が知れる貴重な機会だから、僕はやめないよ」
彼らしい。
ーーー
わたしは20枚程度しか出していない。
それも25日過ぎてから、本を購入して素材を貼り付けるだけの簡単なお仕事だ。しかし、添える文章は考え抜いている。年1回のお付き合いだから。
友人の間では年賀状じまいをする人も多い。
親戚の中でも「年賀状は今年を最後といたします」と言う文言を見かけた。
年賀状を続けるのか、やめるのか?
1月1日になった途端に、LINEでポンと「あけおめ ことよろ」のスタンプを送ってくる知人がいる。
楽は楽なのだろうが、なんとなく雑な感じがしなくもない。
受け取った方も、あぁ来たな、くらいの感じである。
元旦に年賀状を1枚1枚見ていくのは楽しみだ。
書くのも送るのも面倒だけど、少し手間をかけるところに良さがある。
ただ、印刷だけで、一言も自分の文字がない。年賀状も寂しかったりする。
やっぱり、この少しの手間が大事なわけで。。
とすると。
自分のできる枚数を続けていけば良い。
それがあつこの結論である。
ーーー
理科系夫は郵便局から粗品をもらって帰ってきた。
![](https://assets.st-note.com/img/1734731302-seRUMHF3brISLwV6E9zYZytg.jpg?width=1200)
ぽすくま(右下の郵便局のキャラクターの熊🐻)は可愛い。東京駅前の中央郵便局にぽすくまの大きな人形がいるのだが、とっても可愛い。
粗品をどうしてももらいたい人も昔と比べたら減っているだろう。
粗品はやめて、郵便局の健全経営に使ったらいいのに、とこっそりと思った。
さて!20枚の年賀状気合入れて書くぞ。
その前にクリスマスパーティーだけど。
さて、あなたは年賀状どうされるだろうか。
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