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映画『his』と空からの声

2020/02/19
朝、ヨーグルトとミューズリー、黒豆がけ。

新宿に『his』を観に行く。
ゲイのカップルと妻と娘と村人たちの数ヶ月。フィクションなんだから都合の良いところやファンタジーですねぇというところがあって当然だけど、「ファンタジー」すぎると醒める。

その中でも大岡昇平の『事件』を読んだところなので、親権を争う裁判シーンが面白く感じた。
恋愛は自由でわがままだからこそ美しいが、この作品のように家庭をもち、子どもを授かるとなるとわがままではいられなくなる。自分にすなおであることと家庭運営・育児はこの登場人物にとっては併走させることができないもので、その苦しさは最後に伝わった。

そして宮沢氷魚のお肌の美しさたるや。
世代的には「THE BOOMの宮沢さんとこの息子さんか!大きなったなぁ!」の感覚なので、ローズ・リリー・デップを観る目と全くおなじだったんだけれど、存在感のある背の高さが良い。スクリーンの中でぬっと存在できる俳優、東出昌大が勢いを失ったいま、この存在感(身長)は貴重だ。

昼、コーヒーとサンドイッチ。妙蓮寺であした店番をする本屋・生活綴方で販売のレクチャーを受ける。レジを扱うのは三宮そごう前のドトールでバイトしていた20年前以来なのでちょっと緊張している。

本屋・生活綴方は基本的には金土日オープンなんだけど、こうやってときどき平日お店番させてもらいます。週末はなかなか自分の時間が取れない人やお仕事という人に、ふらり本を手にとってもらえたらうれしいです。


妙蓮寺から新横浜までウォーキングがてら歩いて帰る。どこかから、放送が聞こえる。ヘリコプターのプロペラの音にまじって人の声がとびとびに聞こえる。

それは神奈川県警のヘリコプターからのアナウンスだった。歩行者は安全に気をつけて歩きましょう、という。誰が聞いてるの、こんな放送。阿部和重の世界に入り込んだみたいで、よけいに犯罪が起きそうで怖い。

夜、納豆、春菊、ごはん。たまごを焼くのを忘れた。

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