映画感想『あの日のオルガン』
太平洋戦争末期、20代を中心とした若手保母たちが、子どものいのちを守るため、53人の園児を連れ、まだ誰もやったことのなかった集団疎開を敢行したいわゆる「疎開保育園」の事実はあまり知られていない。これは、幾多の困難を乗り越え、託されたいのちを守りぬこうとするヒロインたちの奮闘を描いた真実の物語。(公式サイト)
ストーリーはシンプル。映像も疎開先の生活が主なので、そこまで暗くない。むしろ大原櫻子演じるドジっ子のみっちゃん先生はさらさらつやつやの前下がりボブで、もう少し汚してもいいんじゃないかと思うほどだ。
そこで光るのが主演の戸田恵梨香。現代ドラマでは細すぎるほどの華奢さが、戦時中だと説得力を持つ。子どもを守るために闘う主任保母の、時々キツすぎるくらいの芯の強さがしっかりと伝わる。
ドジっ子みっちゃん先生の描き方が漫画的であまり好みじゃなかったけど、みっちゃんを演じる大原櫻子の歌声は、たしかにこの作品に無くてはならないものだった。
若手女優で戦争ものというと菩薩のような綾瀬はるかが思い浮かぶが、般若のように現実に怒り闘う戸田恵梨香が予想以上に良かった。小学校の平和学習でも観れそうな作品。
ただしちっちゃな子どもの、もみじみたいに小さくて柔らかそうなおててが、ぎゅうっとお母さんや保母さんの上着を握りしめるシーンなどがたくさんあるので、それだけで泣いちゃう人には危険です。ハンカチティッシュをお持ちの上、ご覧ください。劇場内は割とぐすぐす泣いてました。
ひとつだけわからなかったこと。最後の方に戸田恵梨香が「わたしの年齢教えましょうか?」と保母さんに耳打ちしていたシーン。
あのくだりが理解できなかったので、どなたか解釈を教えてください。
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