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『ミッドサマー』で一番怖かったのはエスカレーター

かとうさんと『ミッドサマー』を観てきた。一番怖かったのは映画館につくまでの地上から三階へのぼるエスカレーターだった。さきに着いていたかとうさんが「映画館から泣きじゃくって出てくる女の子がいたよ」というので、しまった本当に怖い作品じゃないかエスカレーターが長い富士急ハイランドのフジヤマ並みに長いと焦る。

わたしってフジヤマ乗ったことあったっけ?

今日の知らんがなである。
年々、自分が体験したのか読んだり観たりしたことなのかがわからなくなってきている。きっとたいした思い出じゃないからだろう。

富士山を初めて見たときの怖さは覚えている。神戸から富士山がちらりと見えるということは日常のなかであり得ないこと。だから初めて間近に見る富士山が予想より大きくて怖かった。それにあれは夏だった。赤富士だったことも怖さの原因だっただろう。日本一高い山にはほとんど木が生えていない。怖い。

さて『ミッドサマー』。
ツイッターで教えてもらった通り、とつぜん驚かせるパターンの怖さは無い。すべてストーリーに沿って自然と●●されていく。白夜のあかるい空のした、美しい花々に飾られてグロさが積み重なる。強制カタルシス発生器に放り込まれたかのように、感情スイッチをはげしく押される。
グロい。でもね人間の眼って、まぶたがついてるの。閉じる。薄目にする。閉じる。OK。

ただ。
思うところあり。
スウェーデンの奥地にあるコミューンで体験した凄惨なこと以外の描写が物足りない。
女好きで無礼なマーク。最初からこのキャラクターが悲劇を呼ぶことがかんたんにイメージできる。逆に紳士または研究に真剣だったら面白かったのに。
学生、文化人類学なめすぎ。アメリカの大学知らないけどゼミの教授に怒られるぞ。
その割に好奇心は旺盛で、研究への姿勢と旺盛すぎる好奇心とが矛盾しているような気もするし、でも青年ってそんなものかな、とも思う。楽して結果だけ得たい、という。
ダニー。女友達つくれ。依存先を分散させろ。(これはもうifの話)
セックスシーン。面白過ぎる。きっと思い出し笑いしちゃう。

コミューンのあり方や儀式、映し方、こんなことを想像して映像化できるなんてすばらしいし、撮っていて楽しかっただろうな。上映時間がけっこう長かったので、中盤は監督のことを考えたりもしていた。

帰宅したら録画してあったさんぽ番組でブラマヨ小杉さんがはげた部分にきれいなフラワーアレンジメントをほどこされていて、『ミッドサマー』やん……とウケた。夫からお小言をちょうだいしていたところだったので、笑うのを我慢した。なにがあっても人生楽しい。

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