"ご縁"だから
僕は、コミュニケーションが得意な方だが、好きではない。
人と話すことはただ必要不可欠で、避けられない事態。もっと性格の悪い言い方をすると、自分の時間を奪うものという認識すらあった。
その根底には、焦りや、成長というものは何かをコツコツと積み上げること以外で為し得ない、という考えがあった。
しかし、最近とても素敵な人と話す機会があり、考え方が少し変わった。
その人は旅が好きで、いろんな国へ行っている。
仕事も多様で、海外での営業から日本のフラワーアーティスト、ホテルの従業員etc…と、幅広く、様々な経験をしている。
だが話していると、流されやすいという印象は受けず、考え方に芯がある人だ。
その人がよく言う言葉がある。
”ご縁だからね”
なんでそれをしたんですか?と聞くと、「ご縁があったからね」と。人以外の、場所や時期に対しても、"ご縁"があった。
この仕事の後は何をするんですかと聞くと、まだ分からないといいつつ、「でもきっとなにかご縁があると信じてる」と話す。
自分とは真逆の考え方をしているな、と思った。
出逢うこと全てには、なにか”ご縁”がある。自分にとって、なにか意味がある。
そう考えると、今、自分が置かれているモロッコにいる状況にもなにか意味があり、これから出会う全ての人や機会に対しても、前向きに、謙虚に接することができると感じられた。
自分のためにという”エゴ”と、他人に対する"思いやり"の心。
図々しくありながら、謙虚であること。
この2つは相反するようだが、"ご縁"という考えを大事にすることで、両立することができるのかもしれない。