(Beyond Meatの伏兵?)Tattooed Chef という会社が気になって書いてみた
こんにちは
いつも通りPelotonなどの情報をさっとみていたのですが、そうした記事の中に変わった内容の記事を見つけました。
■今回の経緯
「新年の抱負から利益を得る2つの株」というようなタイトルの記事です。
「New Year's Resolutions」という表現は、直訳すると新年の抱負ですが、英語で言うと、「悪い習慣を無くしたい」というニュアンスだそうです。
例えば上記の表で見ると、「もっと運動しなきゃ!!」「貯金しなくちゃ!!」「健康にならなきゃ!!」「体重減らさなきゃ!!」「もっと寝なきゃ」というようなものです。
つまり、これは新年で悪習慣をやめよう思うリストだそうです。そうした時に貢献する2つの企業が紹介されていました。一つは誰もがご存知Peloton ですが、もう一つは、TTCF という会社。
なんだろう?と思い、調べてみると会社名は、Tattooed Chef/タトゥード・シェフ(ティッカーシンボル:TTCF)。最近SPAC(Special Purpose Acquisition Company)上場という方法をして上がった会社のようです。
(※楽天証券はまだ未扱い(リクエストは入れてみましたw)ですが、マネックス証券は買えそう。面白そうな会社だったので調べてみようと思った次第です。なお、随時、SNSに紹介されていた画像を引用インサートしていきますので、空腹時の閲覧はご注意ください。)
今回は、主に20年9月に紹介されたInvester Presentationのします。
1 どんな会社なの?
まず最初にこちらの動画をご覧ください。アナリスト向けにサービス紹介された動画です(55秒)。
■ 会社の紹介
「Tattooed Chef」直訳すると「刺青を入れたシェフ」??、意味不明ですよね。会社のWebサイトはこちらです。
About Tattooed Chef(IRレポートより)・・・
Tattooed Chef は、植物ベースの大手食品会社であり、味が良く、持続可能な方法で調達された革新的な植物ベースの食品の幅広いポートフォリオを提供しています。Tattooed Chef の代表的な製品には、すぐに調理できるボウル、ズッキーニスパイラル、ライスカリフラワー、アサイー、スムージーボウル、カリフラワーピザ生地 などがあります。これらは、米国の主要な全国小売食品店の冷凍食品コーナーで購入できます。消費者のライフスタイルと食品のトレンドを理解し、革新への取り組みにより、TattooedChefは継続的に新製品を紹介することができます。Tattooed Chef は、植物ベースのライフスタイルを採用しようとする消費者の成長するグループだけでなく、「作物を与える人々」のいずれにも、おいしい、親しみやすい、革新的な製品を提供します。
この会社のポイントを書くと
* TattooedChefは冷凍食品の販売会社!
* 食品はすべてイタリアの工場で生産したオーガニックな野菜をベースに、カリフォルニアで調理・加工し冷凍している!
* 販売は現状インターネット(ブランドwebサイト)とスーパーのみであり、Amazonは使用していない!
* メインのシェフであるSARAHさんという人が全てのクリエイティブを担っている!(←推測するにSARAHさんに入れ墨が入っているから、TattooedChefか・・・下画像参照)
■ 会社の歴史
上記の資料からTattooedChef とは、2017年に作られました。それは、CEOであるSamさんの娘であるSarahさんが海外での料理修行を通して、ハイクオリティの植物ベースでできた調理済み商品がなかったことに気付いたからだそうです。そして、目を引くようなパッケージと、エッジなブランディングで、若いエコでヘルシーさを追求する消費者や、健全な食品を追求する人々をターゲットとしています。そうした強いニーズが事業拡大に貢献してます。GenNext Awardsと呼ばれるようなしょうも受賞しています。
親子の会社でしたw
■ 想定するライバル会社(※あとで詳細記載)
ちなみに、類似・競合会社だと、ビヨンドミート(Beyond Meat、ティッカーシンボル:BYND)やバイタル・ファームズ(Vital Farms、ティッカーシンボル:VITL)、フレッシュペット(Freshpet、ティッカーシンボル:FRPT)などがあげられていました。
ただ、現状のビジネスにおける直接的な被りは今のところなさそうです。
■ SNS等のコミュニケーション、商品の買い方
主にファン層とのコミュニケーションは下記の4つを使っているそうです。Instagram、Facebook、twitter そして Spotifyです。
まず、Instagramを見ると下記のような感じです。フォロワーは、まだ1.3万人でした。そのためまだ規模は小さいと思います(Peloton の100分の1)。しかしながらかなりお洒落な画像が上がっています。
そして、気になるSpotify。毎月プレイリストを上げています。例えば、12月はこちらです。
最近の「DtoCブランドにおける、エコシステム2.0(造語)」という動きは、純粋にSNSではなく、生活内部にも影響を及ぼしています。そのため、生活に密着する音楽という観点で、Spotofyは様々な企業が利用しています。実は先んじて書いていた、ルルレモンに関する分析記事の先出しになりますが、下記のようにスポーツブランド はどこもSpotifyでのプレイリストを出しています。いかにSNSやコミュニケーションに力を入れているかがわかります。
そうした意味で、Spotifyをやっていたことは興味深かったです。
また、次にインターネットでの販売についてしらべてみました。試しにショップカートに入れて、決済画面まで飛んでみました。これは、Peloton や Gym Sharkと同じような感じでした(Shopifyの機能??)。
ちなみに、配送はFedexで行っており、5個以上の商品を頼む必要があるようです(理由はドライアイスをいれた冷凍配送のためコストがかかるのだとか・・)。
気になる点としては、InstagramのShop機能に対応してないみたいなので、ECはまだ強化ポイントだと思われます。
■どんな商品があるの?商品の特徴は?
大きな軸として5つ置いているようです。朝食から昼食、ディナー、スナックやデザートなどあらゆる局面で使えるように商品をラインナップしていくようです。
現在公式サイトで購入できるメインのラインナップは15種類です。ただ、下記の図でもあるように、別にPrivate Label(各スーパーとオリジナルで作るもの。セブンプレミアムのようなもの。)も持っており実際のSKUでは、2020年時点で38だそうです。
そして、2021年には62のSKUを予定しています。
では、どんな商品なのか、公式サイトに発表されている15種類のものを参考までに紹介します(ここはさっと飛ばして読んでください)。
● CAULIFLOWER MAC & CHEESE BOWL・・・カリフラワーにクリーミーチェダーチーズがかけてあり、そこにパン粉がかけられたもの
(補足)18g Protein / 3/4 Cup Vegetables / Vegetarian
● BUFFALO CAULIFLOWER・・・スパイシーなバッファローソースの中に砕いたカリフラワーを入れたもの
(補足)Vegan
● CAULIFLOWER CRUST CHEESE PIZZA・・・世界で人気のある野菜の1つを実際にピザにできると誰が思ったでしょうか。たまらないサクサクのカリフラワーのピザ生地に、モッツァレラチーズとプロヴォローネの2種類のチーズがトッピングされています。
(補足)Gluten Free/Vegetarian /rBST Free/Excellent Source of Protein
●ORGANIC AÇAI BOWL・・・アサイーとイチゴ、ブルーベリー、バナナなどの有機フルーツのブレンド。ボウルには無糖のココナッツチップスが入ったグルテンフリーのグラノーラパケットが別途付属。
(補足)Vegan/Gluten Free/Just Thaw & Eat
● ENCHILADA BOWL WITH RICED CAULIFLOWER・・・ライスカリフラワー、黒豆、野菜の間にエンチラーダソースとチェダーチーズをトッピングしたコーントルティーヤ。
(補足)15g Protein/1 Cup Vegetables/Gluten Free
● MEXICAN STYLE STREET CORN WITH COTIJA CHEESE・・・サワークリーム、チリパウダー、少量のライムで作ったソースでコーティングした軸を除いたとうもろこしのロースト。コティヤチーズパケット付き。
(補足)Vegetarian/Gluten Free/5G Protein Per Serving
● BUFFALO CAULIFLOWER BURGERS・・・私たちの植物ベースのハンバーガーは、野菜とスパイシーなバッファローソースが入っています。
(補足)Contains 4 Burger Patties/Vegetarian
● BUDDHA BOWL・・・クリーミーなタヒニソースをかけたカリフラワーの上に、サツマイモ、ケール、チリでコーティングしたひよこ豆。
(補足)Gluten Free/Vegan/10g Plant Based Protein/1 Cup Vegetables/No Added Sugar
● COLD BREW & DARK CHOCOLATE SMOOTHIE BOWL・・・コールドブリューコーヒーとダークチョコレートとイチゴのブレンド。ボウルには、ダークチョコレートチャンクが入ったグルテンフリーのグラノーラパケットが別途付属
(補足)Vegan/Gluten Free/Just Thaw & Eat
● ORGANIC RASPBERRY KOMBUCHA SMOOTHIE BOWL・・・紅茶キノコ(kombucha)と、ラズベリー、マンゴー、バナナなどのオーガニックフルーツのブレンド。ボウルには、無糖のココナッツチップスが入ったグルテンフリーのグラノーラパケットが別途付属
(補足)Vegan/Gluten Free/Just Thaw & Eat
● VEGGIE HEMP BOWL・・・サツマイモ、ケール、ひよこ豆、麻の種を、ターメリックとアーモンドバターのドレッシングをかけたカリフラワーと赤いキヌアで作ったライスの上に。
(補足)Gluten Free/Vegan/12g Plant Based Protein
● ORGANIC RICED CAULIFLOWER STIR FRY・・・カリフラワーのライスにエンドウ豆、とうもろこし、赤ピーマンをゴマジンジャーソースで混ぜたもの。
(補足)Vegan/Gluten Free
● ZUCCHINI SPIRALS WITH BASIL PESTO・・・ズッキーニスパイラルネストを使用して、本格的なイタリアンバジルペストを追加することで、伝統的なパスタの栄養価の高い代替品にした。
(補足)100% Zucchini/Gluten Free
● ORGANIC GREENS 5・・・5種類のグリーンの品揃え。味付けしたズッキーニ、ブロッコリー、インゲンマメ、エンドウ豆、ネギ。
(補足)Vegan/Gluten Free
● Zucchini Spirals ・・・ブロックではなく、 nestに詰め込まれています。野菜のnestとは何ですか?これらは、冷凍パスタミールに見られるパスタのnestによく似ていますが、完全にズッキーニで作られています。nestが個別に分割されているので非常に便利です。つまり、必要な量だけ使用できます。再封可能なバッグを使用すると、準備したい数だけのnestをつかむことができ、無駄をなくすことができます。(※実物わからずうまく訳せませんmm)
(補足)100% Zucchini/Gluten Free
以上になります。
これらをまとめていて思ったことは、「カリフラワー」「ズッキーニ」が主要となる材料であり、物によっては植物で不足しがちなタンパク質、プロテインが高い商品もラインナップされています。ベジタリアンだけでなく、減量中のトレーニーにもマッチしそうです。
そして、12月8日には、新商品についてのリリースが出ました。それは、植物ベースのペパロニと植物ベースのソーセージの発売です。
さて、味の方はどうなんだろう・・とYouTubeを探したところ、下記にようなものが上がっていました。
うーんなんだか評判悪いです。
おそらく、ビーガンやベジタリアンなどの人にとっては美味しいですが、それ以外の人々にとっては、普通に食べた方がやっぱり美味しいのではと思いました。
なお、各製造工場でのさまざまな認証をとっているみたいなので、製品クオリティは高いことが証明されています。
2 売上と市場シェア
では、次に売上をみていきます。
■ 売上
2018年は、47.3m$(=約49億円)
⇨4.1億/月、単価10$として、約40万ロット/月
2019年は、84.9m$(=約88億円) +79.5 %
⇨7.4億/月、単価10$として、約70万ロット/月
2020年は、e 148m$(=約154億円) +74.9 %
⇨12.8億/月、単価10$として、約123万ロット/月
2021年(見込み)は、222m$(=約231億円) +50 %
平均で約67.4%の成長率を見込んでいます。ただし、2021年が約50%と落ちます。
4半期ごとの内容を見ていきます。
2020年は、Q1-Q3に関しては右肩上がりで売上が伸びておりますが、Q4は、$39.0mとの見込みは低く下がっています。読み込むと、どうやらQ3に関しては、マーケティングキャンペーンを行ったため上ぶれており、Q4はそのような行為をしないため下がっているのだそうです。
つまりは、需要が下がっているわけではないみたいです。今後はマーケティングプロモーションにお金をかけることなく、成長させていくことを狙っているようです。
(参考資料)損益計算書とバランスシート
これらをざっと見て、課題に感じた点は、2点です。
1 売上総利益(Gross profit)が低い
2 売掛金と在庫が多め ※在庫は冷凍食品だから良いのか??
1に関しては、レポートにも課題としてあげられていました。売上総利益は、2019年で17%、20年で15.4%ですが、今後は20%超えを目指すようです。
なお、卸売業界の売上総利益率は15%~25%が標準水準になるそうなので、少し低いのかなと感じています。もしかしたらこれは製造原価が高いのが原因かもしれません。
売掛金と在庫は商習慣がわからないのでなんとも言えません。
次に、市場全体を見てみたいと思います。
■ 市場規模について
ここでは、2つの軸で考える必要がありそうです。
① ベジタリアン・ヴィーガン(ビーガン)系の市場
② 冷凍食品の市場
ベジタリアン・ヴィーガン市場を考える上で、改めてベジタリアンとは何か?を整理したいと思います。
ヴィーガンよりも制約の軽い菜食主義として様々な分類があり、大きな分類としてはローフーディスト、ラクトベジタリアン、ラクトオボベジタリアン、ペスクタリアン、セミベジタリアンなどに分けられています。
各分類の主な特徴は以下の通りです。
ヴィーガン:完全菜食主義者ともよばれ動物由来の製品を一切使わない生活様式。
ローフーディスト:酵素が豊富な45~47℃以下で調理した食べ物を摂取できる。なお蜂蜜は食べても良い。
ラクトベジタリアン:基本的に穀物・野菜などを食べるが、蜂蜜や乳製品は摂取できる。
ラクトオボベジタリアン:ラクトベジタリアンに似ているが、蜂蜜や乳製品に加え卵も摂取できる。
ペスクタリアン:基本的に穀物・野菜を食べ、肉製品は食べないが魚は食べる。
セミベジタリアン:肉製品も摂取するが、量は少ない。
単にベジタリアンと言ってもとても幅広いですね。
ベジタリアン市場規模を考えてみます。下記のサイトを参考にしました。
ベジタリアン人口は年々伸びており、2018年時点で約6.3億人いると言われています。ただし、アジアが中心です。
さらに国別で見ると、アメリカは全人口の3%とされています。つまり、約1,000万人がターゲットとなるのだと思います。そう考えると国内だけでのキャップは少し小さいのかもしれません。
ただし、最初の資料に下記のようなコメントがありました。
アメリカ人の10%がベジタリアン様の食事を摂っており、35%の人が肉の摂取をできるだけ減らしています。その動機としては健康志向の他に、赤身肉の値段が上昇していることなどを挙げています。
つまりは、普段はベジタリアンではないけど、たまにはそういう食事をとっても良いかなと思っている層もターゲットとして考えられるのかもしれません。そうすると、アメリカ国内の市場規模は、3,000万人〜1億人とも言えます。
では、具体的な資料を見ていきます。まず、前述でもあるように、アメリカ国内ではベジタリアン志向が高まっており、年で1-2%の成長があるそうです。
(データ引用元:Total Consumer Report 2019. Nielsen. 2019.)
それぞれの食生活市場をみると
* ベジタリアン $263.8 b(=2638億ドル、27.4 兆円)
* パスカテリアン(魚はOK) $106.4 b(=1064億ドル、11.6 兆円)
* 植物由来 $80.1 b(=801億ドル、8.36 兆円)
* ヴィーガン $62.4 b(=624億ドル、64.9 兆円)
そして、Tattooed Chef は、そうした高い健康志向のトレンドの商品を幅広くラインナップしているようです。
(データ引用元:Consumer Health Claims 3.0: The Next Generation of Mindful Food Consumption. L.E.K. Consulting. 2018.)
なお、植物由来(plant-based)の市場売上は、2017年から年で13%ずつ上昇しており、2019年では約50億ドルとなっているようです(上の市場数字と違うのはソースが別だからだと思います・・)。
(データ引用元: Beyond Meat Initiating Coverage Report. Jefferies. 2019.) ビヨンド・ミートがソースw
つまりは、全体的には成長市場にあるので、数字は伸びやすいと言えます。
また、冷凍市場をみてみます。
約550億$の市場だそうです。その中でも、Prepared Foodsと呼ばれる既に調理済みのカテゴリーが大きく178億$の市場を締めます。そのジャンルを特に狙って伸ばしていくようです。
ミレニアム世代やZ世代は、冷凍食品の快適性や、植物性由来志向により消費が高まっているのだとか・・
■ 競合について
Health&Wellness系の会社比較として、ビヨンドミート(Beyond Meat、ティッカーシンボル:BYND)やバイタル・ファームズ(Vital Farms、ティッカーシンボル:VITL)、フレッシュペット(Freshpet、ティッカーシンボル:FRPT)などが並べられています。
売上比較がないので各IRレポートから引っ張ってきます。
20年3Qでの比較
* BYND Net revenues$94.4 million Gross profit$25.5 million
(gross profit/Net revenues =27%)
* VITL Net revenues$53.4 million Gross profit$18.4 million
(34%)
* FRPT Net revenues$84.2 million Gross profit$36.7 million
(43.5%)
* SMPL Net revenues$83.1 million Gross profit$33.0 million
(39.7%)
* TTCF Net revenues$41.0 million Gross profit$3.8 million
(9.2%)
売上高だけでみれば、どこも似たり寄ったりというところで、特出した企業は今のところないようです(そしてどれも事業内容が異なります・・・)。ただし、大手飲食メーカーが参入してきた場合は、そうした構図が変わるのではと思います。
にしても、TTCFは、gross profit の低さが目立ちます。どうなんだろう・・。
3 社長やメンバーはどんな人?
次は経営陣をみます。
社長は、Sam Galletti という方(映像右)。実はこの方とその家族で約50%の株を持っているので完全に家族経営の会社と言えそうです。
Salvatore“ Sam” Galletti(President, CEO)
2009年に、Stonegate Foods Inc として設立されて以来、Ittella Parentの社長兼CEOを務めている。Galletti氏は食品業界で35年以上の経験があり、Good Karma Foodsなど、シーフード、パン粉野菜、グリルチキン、その他の有機食品など、さまざまな製品の製造経験を積みました。Ittella Parentが自社ブランドの生産と冷凍製品の製造に参入。
(※Linkedinなどでの詳細データはなし・・)
Sarah Galletti(Creative Director)
「Tattooed Chef」およびクリエイティブディレクターの称号を保持。2014年以降、Ittella Parentが、自社ブランドの冷凍野菜の生産者から、ブランドの革新的な冷凍植物ベースの食事やスナックへと移行した際に、主に新製品の開発とTattooedChefブランドの戦略的かつ創造的な方向性を担当。
Ittella Parentと関わる前は、ガレッティ氏はイタリアでさまざまな飲食店でピザやパティシエとして働いていました。 Galletti氏の海外滞在は、Tattooed Chefブランドへのインスピレーションにつながり、米国内で利用できる高品質の植物ベースのオプションの欠如を認識。2014年以来、Galletti氏は、IttellaParentと協力してTattooedChefブランドを開発および作成しました。
Stephanie Dieckmann (Chief Operating Officer)
2017年からIttella ParentのCOOおよびCFOを務めており、食品業界で12年以上の経験がある。この役職に就く前、ディークマン氏は、生鮮食品、冷凍食品、グリルチキン製品の自社ブランド食品メーカーであるAPPA Fine FoodsのCFOを務め、7年以上勤務していました。
Matthew Williams(Chief Growth Officer)
消費財業界で25年以上の営業リーダーシップと一般管理職の経験があり、最近では、Beecher's HandmadeCheeseとMishimaReserve AmericanWagyuのブランドを持つクリエイティブな食品会社であるSugarMountainの食品ブランドの社長を務めています。2014年8月から2019年3月までディーンフーズのシニアバイスプレジデントを務めました。ディーンフーズでの最近の職務では、冷凍ビジネスユニットのシニアバイスプレジデントを務めていました。
Charles Cargile(Chief Financial Officer)
30年以上の財務および運用の経験があり、最近では、2017年3月から2020年8月にIttella Parentに入社するまで、Nasdaqに上場しているSunworks Incの最高経営責任者を務めました。 Cargile氏は現在、Sunworks and Photon Controlの取締役会、およびUSCのマーシャル経営大学院の企業諮問委員会を務めています。
言い方は悪いですが、才能のある娘を中心にベテランの経営陣が集まって支援しているという感じでしょうか?財務に関しては、同NASDAQでサンワークス(ティッカーシンボル:SUNW)でCFOを経験したCharlesさんがいるので、下手なことにはならないかなと思います。
4 主要株主
SPACの合併もとである「Forum Merger Corporation」
次に「UMB Capital」という投資銀行
最後に「Pizzo Food SRL」(※これは関係会社だと思われる・・)です。
すみません、よくわかりません。が、とてもシンプルですw
5 今後の成長戦略とまとめ
先日のアナリストレポートから読み取っていこうと思います。
収入とブランド売上の増加については前述しているので省きます。
Financial Resourcesの部分では、「9000万以上のキャッシュバランス」「会社への再投資」「戦略的M&A」、Vertically Integratedの部分では、「広大な製造拠点の設立」「製造キャパの倍増(2020年、2021年)」だそうです。
どういう会社をM&Aしようとしているのかは興味深いです。
さてまずは、売上の増加の考え方を見ていきます。
まず売上ですが、現状の黒丸のところから赤丸のところへ2022年までに広げていきます。そこには、新しいPLATFORMSとPRODUCT EXPANSIONと書いてあります。これは、販売拠点の拡大と商品ラインナップの拡大を行っていくことを意味していると思います。
そうして、地盤がそろったところから青丸へ拡大していき、海外流通やレストランなどの飲食サービス、コンビニ流通、または、ライセンスアウトなどを想定しているようです。
それを実現していく第1歩として、広告キャンペーンを2021年から実施する予定です。そして、ソーシャルメディア、広告等などすべての顧客とのタッチポイントで訴求していくことにより「360-brand ecosystem」を築いていくそうです。
一緒に組むパートナー会社はよくわかりませんでした・・。Praytellだけ貼っておきます。
このキャンペーンで目指している一つに、インフルエンサーやカルチャー企業に注力していくということも書いてあります。
■ 流通の拡大
現在は、COSTCOとWalmartなどが主要な販売先となっております。現在、Walmartでは、2,694店舗の取り扱い、Costcoでは、543店舗での取り扱いとなっております。2020年は合計で4,272店舗です。それを2021年で10,000店舗まで広げていくようです。
そして、その先には、下記のように広げていくようです。
様々な流通チェーン、そして、コンビニエンスチェーン等です。ここまで広がっていくと面白いことになりそうです。
参考までに現状の売上の構成を見ると、現状は、COSTCOや、Walmartで実施しているPrivate Brandが半分を占めます。なお2021年に増えるのは上記の通り流通を広げていくからです。
■ ECの拡大
Webサイトは20年の10月にローンチしたばっかりのようです。
ここでのポイントで気になったのは、「プロダクトやブランドのアウェアネス」を高める。ということで、認知率を測る参考でgoogleトレンドを見てみます。
「Beyond Meat」圧勝でしたw
仮に下の4ブランドを比較すると、
Freshpet > Tattooed Chef = Vital Farms = Simply good という感じです。
EC以前に認知をあげないと売上も伸びそうにありません・・。
■ 生産力の拡大
生産力の拡大についても触れられています。
2020年内は、イタリアで4つのラインと2つのパッケージエリアを増設。カリフォルニアでは、BowlとPizzaの生産力を2-3倍にするそうです。
2021年には、イタリアで3つのカリフラワー(畑?)や他のベジタブルの生産、ニョッキの生産、そして、ブレンドのキャパの増加です。カリフォルニアでは、引き続き生産力拡大に努めるようです。
以上、が大枠の分析です。
最後に 個人的な見解をSWOT分析で書かせていただきます。
■ 強み/Strengths
*パッケージがお洒落。
*商品の魅力や分かりやすさが伝わるデザイン!
*Sarahさんの魅力やカリスマ性が高まれば人気が高まる!
*こだわりの味を活かして、菜食主義社以外にも広げれることができるかも(タンパク質豊富なものもあるのでトレーニーなど)。
*完全家族経営。決定スピードが速い。
*冷凍食品なので商品の保存期間が長い。
*高い売上成長率が見込める。
■ 弱み/Weaknesses
*商品・ブランドの認知率が低い
*商品の内容(味など)に関して差別化ができているわけではない。
*商品数が少なく、原材料(カリフラワーなど)の安定供給が鍵。
*SNS活用したマーケティングが弱い(webサイトも最先端ではない)。
=強固なエコシステムができているわけではない。
*海外配送ができない。
*SNSでのEC機能に対応できていない。
*営業利益率が低い。
*経営者依存リスク(Sarahさん1本勝負)。
■ 機会/Opportunities
*伸びている菜食食品市場。市場ポテンシャルは高い。
*同種の企業が存在しない。
*今後インドなどのビーガン大国に進出できたら◎
*M&Aする企業次第で市場を広げれるかも。
■ 脅威/Threats
*食品業界ゆえの参入障壁低い。
*イタリアに生産拠点を絞っているので、自然災害など供給ができない事態に陥ったらヤバイ。
そんなところかと思います。
正直、超魅力的な企業かというとまだまだ未知数な会社かなと思いました。ただし、市場が未成熟ゆえに爆発的なヒットの可能性もあります。
今後、しっかり企業体制やメンバーが強化されていけば面白くなっていくのかなと思いました。
以上になります。いかがでしたでしょうか?
いつも長文をお読みいただき誠にありがとうございましす!もし参考になりましたら”いいね”を押してお閉じいただけますと幸いです。
チーズピザ・・・なんだかこの写真を見たらJUDY AND MARYの Cheese "PIZZA"が聴きたくなったので貼っておきますwww
では、さようなら