LBOについて | 簡易LBOモデルの作成ステップ
今回はLBO(Leveraged Buyout)モデルの作成ステップについて簡単に解説していく。Stepごとの詳しい解説やエクセルの操作ではなくあくまでモデリングワークの流れを理解・イメージすることが目的である。
LBOモデルはPEファンドや投資銀行のスポンサーカバレッジチーム、PE関連のアドバイザリー業務でなければ普段作成することのない財務モデルの一つであるが、基本的にはMerger modelの応用版と捉えてもらえばOKである。米国の研修資料だとEquity waterfall, dividend recapなどの応用的な論点含めてモデルに組み込まれていることもあるが、通常業務ではそこまでテクニカルな論点を扱うことは稀であるから、今回はオーソドックスなスタイルでの説明である
必要な知識については、一般的な財務3表モデルを回せる方であれば、下記に記載するような個別論点とStepを押さえておけばそこまで苦労せずに作成できると思う。
①:Projectionの作成
LBOモデル作成の際には、LBOローンの前提条件等を組み込む際に、過去の財務数値の整理と将来期間のプロジェクションを作成する必要があるので、この点は一般的な財務3表モデルと同様に行うことになる。
過去のPLおよびBSをみて利益率や売上高の成長率、運転資本、固定資産のスケジュール等に関する基礎的な変数を設定しケースごとにChoose関数ないしはOffset関数を用いてケースをインプットすると数値がそれに応じて変更されるようにする。
②:買収時の前提条件、Sources/Usesの設定
次に並行して行うのが、買収時の前提条件と、Source/usesの設定である。
PEファンドが行う買収は一般的に非公開会社を対象とすることが多いので、エントリー時のEBITDAとエントリー時のマルチプル(EV/EBITDA)を決めて、EVを計算、買収時のネットデットを計算して買収時株式価値(Offer value)を計算する。
一方で、上場会社の非公開化案件では現状の株価に対する株価プレミアムを株式数に乗じて、直接Offer valueを求めることになる。
以下のようなイメージである。
EBITDAから計算する場合