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PEファンド|LBOモデル|非公開化

今回はLBOモデルの中でも上場会社を対象としたケース、すなわち非公開化を検討する場合について記載していきたい。

非上場会社を買収する時とモデルの仕組みが大きく変わるわけではないのだが、必要なパラメーターやインプット、アウトプットが若干変わってくるので注意しよう。

エクセルを使用した細かい実務は今後記事にしていく予定である。


1. モデルの準備

先ずは一般的な財務3表連動のモデルを作成する時と同様に、以下のように必要なデータを集計しよう。

1-1. 必要なデータ

  • 企業の公開情報: 上場会社の財務諸表(PL, BS, CF)、事業概要(オペレーティングモデルのKPI,ドライバーを理解するため)。セグメント別に財務諸表を作成している場合にはセグメント別のEBITDAやCapexを把握することも重要である。

  • マーケットデータ: 発行済株式数、株価推移等(VWAPの計算用)。また対象会社が新株予約権等を発行している場合には希薄化を反映したFull Diluted ベースの株式数を計算する必要がある。

  • 借入条件: TLA,TLB等のファイナンス条件(金利、返済スケジュール、EBITDAに対するレバレッジ比率)。メザニンファイナンスをする場合も前提条件を整理しておく。

1-2. モデル構造の設計

続いてモデルの構造設計である。シートが多くなり過ぎないよう、インプットとアウトプットの分かりやすさを意識して作成する。

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