M&Aにかかわる会計
今回はM&Aの場面で出てくる会計の論点やトピックを書いていこうと思う。M&Aでは企業価値評価や契約書交渉に必要な会計上の論点はいくつかあるので簡単に解説していく。
のれん
のれんはM&Aにおいて買収前も買収後も論点になるトピックである。のれんとは、買収対象の事業ないし企業の取得価格と、当該対象事業ないし企業の純資産簿価の差額である
すなわち、正ののれんとは企業買収において買収対象会社の純資産を上回る価格で取得した際に生じる差額を指し、一般的に買収対象会社の超過収益力により獲得される資産と考えられることが多い。分かりやすく言うと、買収される会社のブランド力である。なお、純資産の方が取得価格より大きい場合は負ののれん(Badwill)という。
のれんは日本の会計基準では定期償却(毎期一定額をPLで費用化すること)が求められる一方で、米国会計基準(USGAAP)や国際会計基準(IFRS)では、収益性が低下した際に減損処理を行い、特別損失計上を行う。