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物語ドロップス

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Paulがショートショートを書いてみるシリーズ企画です。
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物語ドロップス ―無意識革命―

あれ?スマホがない。 ついさっきまで手に持っていたのに。 台所に置いてしまっただろうか。 それともトイレに持ち込んだまま置いてきたか。 あるいは...... 1分後、スマホは僕の左ポケットから発見された。 こんなにも近くにあったとは、灯台下暗しとはまさにこのことだ。 無意識のうちにスマホをポケットに滑り込ませていたのだろう。 こういうことはよくある。 物を失くすときはだいたい気づかぬうちにどこかに置いて行ってしまうものだし、癖なんかもその類に入ると思う。 僕は整理整頓が好

【ショートショート】物語ドロップス ―3つ目の願い―

亡くなった祖父の家、長年使われていなかった蔵を掃除していた僕は、汗水たらしながら物を仕分けていた。 すると、いかにも怪しい、「魔法のランプ」と言うべき形のものを見つけた。 これをこすれば魔人が出てくるという話を思い出し、さっそく実践してみると驚いた、本当に現れるとは。 「あなた様の願いを何でも3つ叶えてみせましょう」 完璧すぎてもはや怪しい笑顔を浮かべながら、魔人は手もみしている。 「もしその話が本当なら、少し考えたい」 僕は慎重な性格なのだ。 悩みに悩んだ結果